サスペンス・ホラー

怖い話『電話が鳴った』

 

自宅で横になってテレビを見ていると、固定電話が鳴りました。

我が家では、いつも祖母が電話に応対します。

 

しかし、祖母は繕い物に夢中になっているようで、電話に出ようとしません。

しかたなくわたしが電話に出ようと立ち上がると、

 

「トイレ?」

 

と祖母が言います。

 

「いや、電話鳴ってるから・・・」

 

と言うと、

 

「ん?鳴ってないよ?」

 

と、祖母は言うのです。

わたしは

 

‐ 婆ちゃん何言ってるんだ?耳が遠くなったのか?いい年齢だし、そろそろお迎え近いのかなぁ? ‐

 

などと、思いながら電話に出ると、電話の向こうの人が

 

「おまえが先だよ」

 

と、一言だけ言って切れました。

 

文章:百百太郎

 

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