サスペンス・ホラー

怖い話『お出かけかい?』

 

わたしがまだ、幼い子どもだった頃の話。

 

当時、父親がドライブが好きで、休日になるとよく車でお出かけしました。

車はいつも自宅横に駐車してあり、お出かけになると、わたしが先に車に乗り込み、父を待つのです。

 

わたしがひとり車で待っていると、いつもお婆さんが通りかかって、車内を覗き込んでは、

 

「お出かけかい?」

 

と声をかけてきました。

ご近所さんでしょうけど、知らないお婆さんです。

 

毛布に包まって、身を隠していても、

「お出かけ?」

とお婆さんの声がして、見ると、ドアガラス越しにお婆さんがニコニコしながら、こちらを見下ろしています。

 

ある時、

「お婆ちゃんも一緒に行く?」

と言ってみました。

 

「わたしはもうたくさんだよ、そんな棺おけみたいな狭いとこ」

 

その時は、お婆さんが何を言ってるのか理解できませんでした。

 

今になって考えると、ご近所さんであろう、そのお婆さんと顔を合わせるのは、車の中にいる時だけでした。

 

文章:百百太郎

 

関連記事

 

 

関連記事

  1. 怖い話『スリッパ』
  2. 怖い話『お迎えにあがりました』
  3. 怖い話『お前がいないと』
  4. 怖い話『断崖の遺物』
  5. 怖い話『ドアの前で待つ女』
  6. 怖い話『夜中の出来事』
  7. 怖い話『新聞の勧誘』
  8. 怖い話『あしあと』

おすすめ記事

世界の国と国旗☆第89回目 赤道ギニア共和国

画像提供元:https://www.abysse.co.jp/flags/africa/equato…

炎上するのはハートだけで十分

出典:© いらすとや. All Rights Reserved.本当にそういうことですよね?…

発達障碍は社会全体から嫌われるわけではない

  発達障碍者は90パーセント以上に煙たがれ、10パーセント未満の人に支えられながら…

障碍者との勤務に賛成か反対か

 健常者が障碍者と一緒に働くのは賛成、反対のどちらの意見を閲覧しました。&nbs…

すし屋のサイドメニューが増え続けている

 昔の寿司屋(回転ずし)といえば、寿司が主流でサイドメニューは赤だしにとどまっていた…

新着記事

PAGE TOP