あるマンションの3階に住んでいる友人がいます。
友人の話では、エレベーターに向うと、ちょうどエレベーターが停まり、扉が開くのですが、中には誰もいないということが何度もあるとのことでした。
そのマンションではかつて、幼い子供が非常階段から転落死する事故がありました。
事故のあと再発防止のため、非常階段の出入り口に、子供では開けられないような鉄扉が設置されました。
その後、そういう不可解な現象が起こるようになったと言うのです。
「友人はその子供の霊が乗ってくるんじゃないのかな?」と言います。
自分の部屋に戻りたい子供の霊は、エレベーターを使うしかない。
ところが手が3階のボタンまでしか届かないので、しかたなく1階から3階をさ迷っているのではないか?と言うのです。
「だったら、踏み台でも置いてあげれば?」
わたしが冗談めいて言ったことを、友人はやってみたそうです。
こうして、不可解な現象は無くなりました。
文章:百百太郎
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