サスペンス・ホラー

怖い話『テレビの前の子供』

 

大学のサークル合宿で民宿に泊まった日の夜。

ふと、夜中に目が覚めました。

わたしは掛布団を頭まで被って、うつ伏せになって寝ていました。

布団の隙間から見ると、テレビの前に誰かが座り込んでいます。

寝付けずにテレビを見ているのでしょう。

 

誰だろうと目を凝らして見ても、影になってよくわかりません。

少し時間が経ち、目が慣れてきました。

テレビの画面は砂嵐を映し出しています。

その前に座っているのはシルエットからして、どうやら子供のようです。

 

  • なんで子供が?! -

 

その子が振り返って、部屋の中をぐるーっと見渡します。

目が覚めているわたしに気づいたようです。

突然、四つん這いになり、身をかがめてわたしめがけてにじり寄ってきました。

わたしは怖くなって、目を瞑りました。

 

気付くと朝になっていました。

みんなそれぞれ帰り支度に取り掛かっていました。

変な夢見たものだなと思っているところに、仲間の一人が言いました。

 

「真夜中、テレビつけっぱなしにしたのは誰よ?」

 

文章:百百太郎

 

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