サスペンス・ホラー

怖い話『押し入れにいたもの』

 

大学卒業で先輩が下宿アパートを引き払うので、部屋の片づけを手伝っていた時のこと。

わたしは押し入れの中の物を運び出していました。

手前に積まれてあった衣装ケースを出し、再び押し入れに頭を突っ込むと、

 

「うおっ!?」

 

っと驚きの声を上げてしまいました。

 

「どした?」

 

後ろから先輩が覗き込んで、

 

「なんだ鏡じゃないか、自分の姿に驚いてるんじゃねえよ」

 

と笑いました。

 

それは女性の部屋にあるような大きめの鏡で、先輩には似つかわしくないものでした。

 

「こんな大きな鏡持ってたんですか?」

 

「前の住人が置いていったものだったのかな?今まで気づかなかったな、これも持って行っちゃおう」

 

先輩は鏡を抱えて、トラックの荷台へ運んでいきました。

 

でも、わたしがその時に鏡の中に見て驚いたものは、自分の姿じゃなく、異様に大きな女の顔だったんですけどね。

 

文章:百百太郎

 

関連記事

 

関連記事

  1. 怖い話『チャイルドシート』
  2. 怖い話『終着駅』
  3. 怖い話『かまくら』
  4. 怖い話『壁の中から』
  5. 怖い話『とある砂浜での出来事』
  6. 怖い話『塀の裏側に見たもの』
  7. 怖い話『お母さんについていく子』
  8. 怖い話『手が届かない』

おすすめ記事

岡山県の「デミカツ丼」と、兵庫県加古川の「かつめし」

 岡山のデミカツ丼は、ご飯の上に茹でキャベツを敷きトンカツをのせて、デミグラスソース…

JR姫路駅の在来線プラットホーム店舗の中華麺:「駅そば」の紹介

 中華そばですが、和風だしのそばが出ることで有名な、JR姫路駅の「駅そば」の紹介をし…

『感謝の心を忘れずに』

何でも当り前だとは、思ってはならない。人は、一人で生きているのではないのだから。…

目に見える形で結果を出さないと評価されない

 目に見える形で、他人のためになることができればいいのに。地上にはそのような人間で溢…

プロ棋士になったからといって生活を保障されているわけではない

 プロ棋士になれば、将来の生活は安泰だと考えている人はいませんか。実際はそういうわけ…

新着記事

PAGE TOP