サスペンス・ホラー

怖い話『相談事』

 

農業を営む友人が、相談事があるというので、わたしのほうから出向いた時のこと。

 

友人宅の門を入ったところに、軽トラックが止めてありました。

そのトラックの車体の下から、子供の足が覗いていました。

トラックの下に入り込んだ、ボールか何かを取ろうとしているのでしょう。

 

そこに、わたしに気づいた友人が、玄関から出てきました。

 

「ちょっと家の中、散らかってるから、ファミレスにでも行こう」

 

友人はそう言うと、軽トラックに乗り込みます。

トラックの下や周りを見ると、さっきの子供はどこにも見当たりません。

キョロキョロしてなかなか軽トラックに乗り込まないわたしに、友人が言いました。

 

「どうした?」

 

「ついさっきトラックの下に子供がいたんだけどなぁ・・・」

 

やっぱりかという感じで友人は話しました。

最近知り合いから1万円で買った軽トラックで、こういう不可解なことが頻繁にあるのだという。

 

「このトラック、どうしたらいいと思う?」

 

文章:百百太郎

 

関連記事

関連記事

  1. 怖い話『拝まれた』
  2. 怖い話『仏間の少女』
  3. 怖い話『事故物件での出来事』
  4. 怖い話『握り返してきた手』
  5. 怖い話『ジョギングコースの自転車』
  6. 怖い話『ウォータースライダー』
  7. 怖い話『茂みの中から』
  8. 怖い話『手伝ってくれた人』

おすすめ記事

精神安定剤って、効いているのかな?

 精神安定剤の錠剤は効力で精神を安定させるのではなく、服薬することによって安堵感をも…

怖い話『預かったバイク』

バイクを何台も保有しているバイク好きの友人が、買ったばかりの中古スクーターを置かせて…

あまがさき観光案内所へあまうめ城っぷを再々出荷しました

8月24日、あまがさき観光案内所から2回目の入荷依頼が入りました。阪神尼…

112歳まで生きるということ

世界一の長寿としてギネスに載っていた、男性が112歳で死亡したとニュースになった。1…

安部公房著『砂の女』のご紹介

安部公房著『砂の女』のご紹介昔の日本小説には今のものとは異なる魅力があるのではな…

新着記事

PAGE TOP