サスペンス・ホラー

怖い話『自分だけが違う夜』

 

修学旅行の夜。

消灯時間を過ぎても、みんなでワイワイ騒いでいました。

枕投げをする者、ゲームをする者、それぞれです。

わたしは友人たちとプロレスごっこをしていました。

 

突然、扉がガラッと開きました。

見回りの先生です。

 

「コラッ、早よ寝んか!消灯時間過ぎとるやないか!」

 

みんな慌てて、それぞれの布団に潜り込みます。

 

「早よ寝えよ」

 

明かりを消して、先生が部屋を出て行きます。

扉がパタンと閉められた瞬間、

 

- ドサッ! -

 

わたしの上に誰かが、飛び乗ってきました。

 

『プロレスのつづきか!?』

 

布団を跳ね除け、飛び起きると、そこには誰もいませんでした。

みんなスヤスヤと布団を被って、寝ています。

 

- 今、飛び乗ってきた感覚は何だったんだ? -

 

翌朝、みんなにあの後、何かに飛び乗られた話をしました。

 

「心霊体験したの、俺だけか?」

 

 

「自分は金縛りにあって、動けなかった」

 

と、ひとりが言うのを皮切りに、

 

「おれも」

 

「俺も」

 

「オレも」

 

文章:百百太郎

 

関連記事

 

関連記事

  1. 怖い話『エレベーターの先客』
  2. 怖い話『あれはオバケに違いない』
  3. 怖い話『私に見える女性』
  4. 怖い話『2位だよ』
  5. 怖い話『自動』
  6. 怖い話『絵の女』
  7. 怖い話『飛んでいるもの』
  8. 怖い話『水浸しの郵便受け』

おすすめ記事

「しけてんな」、の効用

「しけてんな」、が口癖の友人がいました。といっても文句垂れというわけではなく、な…

コロナウイルスで障碍者解雇増加

 コロナウイルスによって障碍者の解雇が増加傾向にある。今年の2~6月における解雇者数…

カラオケオールを寝ないで歌い続ける為には…?

皆さんは、カラオケオールの経験がございますか?徹夜でカラオケに行くと、どうしても…

二重基準を伴った「負債」が招き寄せるもの

マウリツィオ・ラッツァラート, 杉村昌昭訳『〈借金人間〉製造工場―“負債"の政治経済…

障碍者が一般会社で働く難しさ6

『障碍者が一般で働く難しさ6』26.性格が暗い(発達障碍、知的障…

新着記事

PAGE TOP