サスペンス・ホラー

怖い話『とめたらアカン』

 

町外れの新築アパートに引越した友人を、ドライブしようと車で迎えに行ったときのこと。

 

アパート横に狭い一方通行が走っています。

通行の邪魔にならないよう、脇の空き地に車を停めて、クラクションを一回鳴らしました。

アパートの窓から友人が顔を出して、軽く手を挙げて合図します。

 

友人を待っていると、車のウィンドを叩く男がいました。

 

「ここに停められると、困るんだよね」

 

「あ、すいません」

 

わたしはすぐに車を、移動させました。

アパートを出てきた友人が、車に乗り込んできました。

 

「あの空き地に車を停めるなって言われちゃったよ」

 

「工事でも始まるんかな?」

 

後日、友人のアパートに行くと、空き地は以前と何ら変わった様子はありません。

そこに車を停めて、友人を待っていると、再び男が現れ、ウィンドを叩いてきました。

 

「停めたらアカン言うてるやろ、重いんや

 

「あ、すいません」

 

- え、重い?・・・聞き間違いかな? -

 

数日後、その場所から殺された男の遺体が出てきたという・・・。

 

文章:百百太郎

 

関連記事

 

関連記事

  1. 怖い話『わたしはここにいる』
  2. 怖い話『眠る男』
  3. 怖い話『作業服の男』
  4. 怖い話『倒れている人』
  5. 怖い話『おまえだけ』
  6. 怖い話『ごめんなさい』
  7. 怖い話『押し入れにいたもの』
  8. 怖い話:『海底の人影』

おすすめ記事

『受け止める』―君を支え続ける、一生をかけて―

君がどんな状態になっても…絶対に受け止める。…

『大量の薬』

毎日大量の薬を…飲まなければ…死が待っている…

小説:『彼女との約束(6)』

前回まで・小説:『彼女との約束(1)』・小説:『彼女との約束(2)』・小…

3つの幸福

樺沢紫苑氏が、3つの幸福について述べられています。「…

中井 久夫『治療文化論: 精神医学的再構築の試み』岩波現代文庫

中井 久夫『治療文化論: 精神医学的再構築の試み』本書は1983年に刊行された『…

新着記事

PAGE TOP