サスペンス・ホラー

怖い話『守る人』

 

大学での昼下がりのこと。

次の講義までの間、時間を持て余していました。

 

友人とふたりでグランドを覗くと、仲間たちが4人で野球をしていました。

ひとりがノックをして、3人がそれぞれレフト、センター、ライトと守っています。

ほとんどが顔なじみですが、ライトを守っている人だけが初対面です。

 

わたしたちもそれに加わり、友人は投手、わたしは捕手のポジションにそれぞれつきました。

打者は気持ちよさそうに、レフト、センターへと打ち返します。

ライトだけにはボールが飛んでいきません。

 

そのうち投手が、こちらに近付いてきました。

 

「かわいそうだよ、ライトにも打ってあげてよ」

 

すると打者はキョトンとして、「誰もいないのに?」と言います。

見ると、そこにはさっきまでいたライトがいません。

 

打者の話では、はじめから3人で野球をやっていたと言うのです。

 

ライトの真後ろの建物の横に、非常階段があります。

そこはかつて、学生が飛び降り自殺した事があり、そばに当時の学生の有志たちによって、小さな石碑が建てられている場所でした。

 

文章:百百太郎

 

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