サスペンス・ホラー

怖い話『戻ってきたのは誰?』

 

大学時代、冬の温泉合宿のこと。

 

夜の飲み会を終えて寝静まっていた頃。

突然、先輩が部屋の明かりをつけ、叫びました。

 

「今、トイレから戻ってきたやつは誰だ?」

 

先輩によれば、夜中にふと目が覚めた。

見るとトイレのドアから明かりが漏れていた。

 

― トイレか ―

 

しばらくすると、ドアが閉まる音がして、人影が出てきた。

 

先輩は寝ようと目を閉じた。

しばらくして目を開けると、トイレのドアから明かりが漏れていた。

やがてドアが開き、人影が出てきた。

 

― なんだよ、腹でも壊したのか? ―

 

と思って見ていると、誰もトイレに向った様子がないのに、明かりが漏れていた。

しばらくすると、再びドアが開き、人影が出てきたと言うのです。

 

「脅かさないでくださいよ」「そんなことあるわけないじゃないですか」とわたしたちは先輩をなだめました。

「それじゃ寝るよ」と部屋を暗くしました。

その瞬間、トイレの明かりが点いていることに気付きました。

 

文章:百百太郎

 

関連記事

関連記事

  1. 怖い話:『助けられた?』
  2. 怖い話『もう少し先へ』
  3. 創作『空の上からの悪戯』
  4. 怖い話『終着駅』
  5. 怖い話『怖いおっちゃんおる!』
  6. 怖い話『倒れている人』
  7. 怖い話『こぼれる光』
  8. 怖い話『そうですって言っていたら・・・?』

おすすめ記事

自分の幸せすらわからない支援員が、他人を幸福にするのははなっから無理

 障碍者支援における重大な欠落事項としてあげられるのは、障碍について分からないことで…

人の痛みのわかる人に

人を大切にしていきたい。自分を大切にできる人は、心の…

川崎市は空き缶集め禁止する方向で調整中

 川崎市において、空き缶集めを禁止する条例の制定が検討されています。違反した場合、罰…

障碍者支援は退職代行業者?

 障碍者支援は退職代行業者の役割を担うこともある 障碍者が職場を退職するに至る前…

一日のうちに楽しむ時間を作ろう

メンタルを病んでいる人は、多くの時間をネガティブなことを考えることに使いがちなのではないでしょうか?…

新着記事

PAGE TOP