時事問題

【海外ニュースウォッチ】中国ファストファッションのアメリカ事業拡大【第二十回】

海外のニュースから、筆者が気になったものをピックアップしてわかりやすくお届けするシリーズです。

第二十回は、「中国ファストファッションのアメリカ事業拡大」と題して、中国ファストファッション「SHEIN」の動きについて見ていきます。

 

 

中国のオンライン小売企業「SHEIN(シーイン)」が世界のファストファッション市場を席捲しています。同社は米国での売上急増を受けて同国での拠点強化に乗り出しています。

 

シーインの米国事業担当プレジデントであるジョージ・シャオ氏は、大型の配送センターを3つ米国内に建設する予定だとしており、それにより配送日数が数日短縮される見込みだとしています。

 

同社は非上場であり売上高を公表していません。

ロンドンのクレディ・スイスのアナリスト、サイモン・アーウィン氏は、シーインの昨年の売上高は約160億ドルだと推定しています。実店舗を持たないシーインは、オンラインの売上で見ればすでにZARAを超えていると言われます。

 

オンライン販売のみで、世界150か国以上(2022年3月時点)に中国から商品を発送しているシーイン。

中国企業にもかかわらず完璧に中国臭さを排し、「アメリカ発のグローバルファッション」と自称し、アメリカのZ世代(1990年代後半以降生まれ)に強く訴求するデザインで、現地のインフルエンサーを大量に動員したSNS戦略により販売を伸ばしています。

 

向こう数年間で数千人規模の大量雇用を計画するシーインの強みは、AIとビッグデータ解析に基づいたマーチャンダイジングとサプライチェーン・マネージメントにあるといいます。

 

知衣科技(ジーイー)が開発した「AIアシストデザイン」というSaaS(インターネット経由で必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア)により、デザインや生地、色彩などのトレンドを予測しているため、新商品の展開スピードがおそろしく速いのです。

 

シーインの時価総額はUNIQLOのファーストリテイリングの2倍近いとも言われています。

現在は世界220か国以上に展開しているともされ、UNIQLOやZARA、H&Mといった競合相手を駆逐していく可能性に満ちています。

 

デザイン盗用疑惑で複数の訴訟が起されるなどトラブルが続発しているため、今後の課題をどう乗り切って対応していくかが注目されます。

 

 

文章:増何臍阿

 

関連記事

関連記事

  1. 2020年7月からレジ袋有料化
  2. 脳性麻痺があっても前に進み続ける
  3. 生レバ禁止問題について
  4. 田中将大投手が来期は楽天でプレイする
  5. 裁判員裁判の判決が覆る(死刑→無期懲役)
  6. 電車内で客がマスクをせずにトラブル
  7. 韓国が東京五輪にクレーム!
  8. 三段目の響龍が死亡
PAGE TOP