時事問題

【海外ニュースウォッチ】空飛ぶ自動車のゆくえ【第十五回】

海外のニュースから、筆者が気になったものをピックアップしてわかりやすくお届けするシリーズです。

第十五回は、「空飛ぶ自動車のゆくえ」と題して、実用化に向けて試行錯誤されている空飛ぶ自動車界隈を見ていきます。

 

 

「空飛ぶ自動車」という呼び名が正しいものかどうかは、議論の分かれるところのようです。

というのは、一般道路を走行し空も飛べるような自動車を開発している企業は今のところ存在せず、そうしたものを「自動車」と呼んでいいかどうかも定かではありません。

そうではなく、エアロモービル(略してエアロ)という名で呼ぶのがいいのではないか、という意見があるようです。

 

垂直離着陸機(VTOL)とも呼ばれるこの乗り物は、米連邦航空局(FAA)が呼び方を決め、規制のあり方を示し、飛行可能なエリアを判断しさえすれば、今後世界のあり方を大きく一変させてしまいうる存在です。

 

技術面で言えば、エアロの祖先はヘリコプターです。しかしヘリコプターとは異なり、電気で動くため排出ガスがゼロで、都市部でも近所迷惑にならない程度の音しか発しないと言います。

 

実際に乗ってみた米紙の記者の感想は、機体が完全に安定していて全く怖くない、というものでした。技術に関して言えば、問題はないようです。

 

しかしながら、飛び立つ準備が出来た後のいくつかの問題が、とても重大です。

 

どこで離着陸を行うのか、既存の航空管制システムにどのように組み込むのか、住民は最新式の比較的大きな飛行物体が自宅の上空を飛び交うことを容認するのかどうかといったことです。

 

それは、エアロ用の「バーティポート(垂直離着陸用飛行場)」のための用地をどう確保するのかということです。空港が使用権を持たない空域がとても少ないこと、騒音に関する問題、既存の建造物を改造して十分な強度と充電用設備を備える必要があることなどの課題があります。

 

ほかには、進入路確保のため土地のオーナーが高いビルを建造できなくなるなど、権利関係における厄介な問題が起きる可能性もあります。

 

地上インフラを整備することや規則のモデル作りなど、空飛ぶクルマの抱える問題は、飛ぶことそのものにあるのではなく、「私たちが住む地上」にこそあるのかもしれません。

 

 

文章:増何臍阿

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/49607159143/187cfec62b/

 

関連記事

関連記事

  1. 熱戦が続いている、ラグビーとバレーボール
  2. you tuberの「へずま りゅう」さんが山口県の参議院補欠選…
  3. 過労死を防ぐために
  4. 台風について③
  5. 10万円を支給する方向で調整が進んでいる
  6. 最近、良く耳にする「まん防」とは?
  7. 【海外ニュースウォッチ】ソニーのゲーム戦略、マイクロソフトとの闘…
  8. You tubeでワクチンに関するネガティブな情報を投稿できなく…

おすすめ記事

高齢者は今すぐ、免許返納しろ!!車を運転するな!!

2019年4月19日 東京・東池袋にて87歳が運転する車によって8人が重軽傷、そして…

『幸せを手に入れるために』

その人の気持ちに共感できれば、幸せだ。人には、上手くできることと、…

車内での携帯電話での通話は、お控えください

先日、年初に脳溢血を起こしたという、かつての恩師から電話がありました。会話ができる程度には回…

世界の国と国旗☆第57回目 クック諸島

皆様こんにちはLewis Abe(ルイス アベ)です。いつも…

『ウォーターサワー レモン』と『ウォーターサワー オレンジ』の紹介

 ウォーターサワーとはサッポロビールが販売しているハードセルツァー(アルコール入りフ…

新着記事

PAGE TOP