海外のニュースから、筆者が気になったものをピックアップしてわかりやすくお届けするシリーズです。
第5回は、「メタ、AIスパコン構築」と題して、メタ(旧フェイスブック)の新たなる人工知能スーパーコンピュータについて見ていきます。
メタ(フェイスブックから社名変更)は、自社の研究チームが新しい人工知能スーパーコンピュータ(AIスパコン)を開発したと発表しました。すぐに世界最速のスパコンになるとしています。
このスパコンの名前は「AIリサーチ・スーパークラスター(RSC)」と言い、半導体大手のエヌヴィディアや高性能コンピューティングを手がけるペンギン・コンピューティング、ストレージサービスで知られるピュア・ストレージの研究者など数百人が開発プロジェクトに参加しました。
研究チームは、このスパコンを用いて自然言語処理(Natural Language Processing)やコンピュータ・ヴィジョン(CV、コンピュータによる視覚の実現)のAIモデルに学習させているところです。
目的は、時間にして3万6000年分にもなるハイクオリティ動画の容量である1エクサバイト(100京バイト、10の18乗)のデータセット上で10億のパラメータによりモデルを訓練(学習)させることです。
マーク・ザッカーバーグ氏は、
「わたしたちが創り出そうとしている仮想現実メタバースの経験を生み出すには、とてつもない計算能力が必要とされる。RSCは、新しいAIモデルによって、数十億ものサンプルを学習することができ、何百種類の自然言語を理解することが可能になる」
との声明を出しています。
夏までに完成を迎え、16,000ものGPUを備え世界最速のスパコンになると発表しました。メタは、当該施設の場所や必要となる費用についてコメントを避けました。
画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/3048575620/b612316ba3/
文章:増何臍阿
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