サスペンス・ホラー

怖い話『地域ルール』

 

わたしが小学3年生の時、少し離れた町の父の友人宅へ連れられて行ったときのこと。

大人たちは昼間からお酒を飲んで盛り上がっている中、まだ子供だったわたしは退屈して、2階の窓から近所の子供達が遊んでいる様子を眺めていました。

 

すると子供達のひとりが

「おーい、降りてこいよー、一緒に遊ぼう」と声をかけてきました。

 

みんなで『かくれんぼ』をすることになりました。

わたしはすぐに見つかってしまいました。

 

次はわたしがオニをすることになりました。

この辺のルールでは最初に見つかった子が、次のオニになるキマリなのだそうです。

 

数をかぞえ終わってあちこち探すのですが、

この辺の事情に詳しくないわたしは、誰も見つけることが出来ません。

 

困り果てたわたしは最後の手段を叫びました。

 

「オニさん、まいったー」

 

わたしの住んでいる地域ではオニが降参したと言う意味です。

10まで数え終わるまでに戻れなかった者が次のオニ、全員戻ってこれたら引き続きわたしのオニです。

ですが10かぞえ終わっても誰も出てきません。

 

― やはりこっちとはルールが違うからか ―

 

わたしが困ってオロオロしているところに、父が出てきてもう暗くなるから家に入るように言いました。

わたしが「みんなと遊んでいるところ」と言っても、「みんな帰っただろ」と家の中へ誘いました。

 

わたしは家に入ったあとも、みんな怒ってるんじゃないか、わたしのことを探してないかとしきりに外の様子を気にしていましたが、

そのあと誰も集まっている様子はありませんでした。

 

文章:百百太郎

 

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