海外のニュースから、筆者が気になったものをピックアップしてわかりやすくお届けするシリーズです。
第九回は、「UWB技術が拓く未来」と題してお届けします。
位置追跡機能に関する情報技術に高い関心が集まっていますが、長いあいだモノの場所を正確に特定することは至難の業でした。
この状況を、UWBという技術が変えようとしています。
超広帯域無線(UWB)は、1センチメートル内の正確さで「どこに」、コンピュータの時計で「いつ」、カメラやセンサーの利用により「なにが」あるかを認識できるようにする技術であり、過去10年にわたり物体の位置を3D空間上で極めて正確に特定する方法として開発されてきました。
現在、新しいスマホにはUWBを利用できるようにするチップやアンテナが搭載されています。iPhone11以降の全iPhoneモデル、サムスンやGoogle、シャオミ、OPPOなどの比較的新しいスマホです。
現在のところ、紛失防止タグやファイル共有などに用いられているUWBですが、幅広い用途への活用が期待されています。
スマホを近づけるだけで車のドアロックを外すことができたり、パソコンの所有者が近づくだけでログインできるようになりパスワードが不要になる、といったことが考えられています。
位置が正確に特定できるとなると、プライバシーに関する問題が非常にセンシティブなものとなります。
位置情報が悪用されないようにするための細心の注意と法整備が必要です。
UWBは、デバイスとビーコン(無線標識)との間の電波の伝送時間を測ることで対象物の位置を三角測量する技術です。
UWBはGPSと似てはいますが、GPSは人工衛星との一方向の通信であるのに対し、UWBは複数デバイス間の双方向でのやりとりが実現できます。
現時点では鍵やパスワードの代替が主ですが、これから思いもよらない使い方が発見・発明されていく可能性が秘められています。
世の中を大きく変えてしまうかもしれないUWB技術、要注目です。
文章:増何臍阿
画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/51333552476/2984c3e506/
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