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「残念様」と言う流行神がいる

 

 「残念様」または「残念さん」とは、無念を残し口惜しい思いを残して死んだ人を人々が悼んでそう呼んだことが始まりです。

 そして今回は流行神(※1)として祀られて参拝者が多く集まった2つの例を紹介します。

 

 1柱目は木村重成です。木村重成は豊臣家の家臣の武将で豊臣秀頼に幼い時から小姓として仕えていたと言われています。

 大坂夏の陣では今の東大阪市付近で藤堂高虎と井伊直孝と戦い若江堤で慶長20年(1615年) 安藤重勝に討たれて戦死したと伝えられています。

 木村重成の死後150回忌に安藤重勝の子孫によって墓が建立されました。死後200年経って文政の初めごろ(1820年代)に木村重成の墓を参拝する流行が起こり願を掛けると願いが叶う神として人々が列をなし、大阪奉行が取り締まる騒ぎになりました。

 木村重成の墓は今、大阪府八尾市幸町公園にあります。

 

 もう1柱は山本文之助と言う長州藩士です。

 明治元年年(1864年)の禁門の変(蛤御門の変)に敗れ落ちのびる途中に尼崎藩にとらえられ自害しました。遺書に「残念で口惜しい思いをしたので、もし悔しい事があれば1つだけ願いを叶えてやろう」と書いてあったので流行神として当時はたくさんの人が願掛けをしに行列が出来ました。

 今でも願掛けに来る人が訪れたりします。

 山本文之助の墓は尼崎市杭瀬南新町4丁目9-13 杭瀬東墓地内

 

 この2柱以外にも残念様・残念さん呼ばれる人がいます。

 

 堺市宝珠院に埋葬されている堺事件の土佐十一烈士のご残念様。

 丹後宮津藩士の依田伴蔵を残念さんと祀っている廿日市市大野字八坂の残念社などです。

 

(※1)…突如として出現し、ごく短期間に爆発的に流行して熱狂的な信仰を集める神や仏の総称。

 

 

文章:北山南河

 

画像出典 https://foter.com/f7/photo/32923652226/ed22a910d5/

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