コラム

葉真中顕『Blue』光文社文庫

 

葉真中顕『Blue』

 

 

バブル期から始まり、やがて「構造改革」と称した派遣労働等が解禁され、多種多様な働き方が常態化していった時代。

一方では貧富の拡大が醸成されなど、所謂「中流階級の低迷」を招いた平成の時代を色濃く反映した作品となりました。

 

 

ブルーと呼ばれた無戸籍児の生涯が、平成の始まりと終わりで終結。

母親からの愛情不足かつエゴイスティックな母親の都合のみで育てられたブルーの内面の描写は少ないですが、当の親にしても幼年期に親から虐待を受けて育っていたようです。

この物語は、両親の役割分担が確立されていた昭和の価値観が吹き飛んだ中、人々は価値観の帰属先を失い、世代間連鎖の隙間で、行政の役割りが肥大化を生むに至った中で起こった事件を取り扱っていました。

 

 

この小説の全体的な構成としては、本書の末尾に示された言葉に集約されているので、以下、転載して紹介しておきます。

 

『本書は書き下ろし作品です。

また、この物語は平成30年間の文化・風俗を俯瞰しながら、

児童虐待、子供の貧困、無戸籍児、

モンスターペアレント、外国人の低賃金労働など、

様々な社会問題をテーマとした作品ですが、

フィクションであり、実在の人物、団体、事件とは一切関係がありません。

 

2019年4月 光文社刊』

 

文章:justice

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