コラム

パソコンが普及しない理由

誰かの常識は、誰かの非常識ってことですよ(挨拶)。

と、いうわけで、フジカワです。

時々、自分の視野の狭さが嫌になる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回の記事は、「若い子たちが、パソコンを買わない理由は?」とかいった話です。

高価な置物

さて。どこでか? は忘れたのですが、最近、こんな文言を目にしました。

「パソコンが置物になってる人へ! パソコンはこんなことができるぞ!」

つまりは、利用を促す趣旨でした。

一例として挙げられていたのは、プログラミングや、DTM(音楽制作)など。

その提案も分かるのですが……

「パソコンが置物になっている」

という状況が存在することに、少なからず驚きました。

買ったはいいけど、使わない。

個人的には「信じられない!」のですが、ハタと思い直しました。

僕のケース

僕が初めてパソコンを触ったのは、今から44年前の、5歳の頃でした。

新しもの好きだった父親が、おもちゃとして買ってくれたんですよね。

もちろんと言うべきか、その頃は、何にも分かりませんでした。

雑誌に載っているプログラムのソースコードを、父と二人、一本指で入力して。

その結果、インベーダーゲームが動いたときは、本当に嬉しかったものです。

本格的なパソコンを買い与えてもらったのは、14歳の頃。

ネットデビューしたのも、同じタイミングです。

一応補足しておくと、当時はまだ、インターネットというものがありませんでした。

「草の根BBS」と総称されるコミュニティが、各所に存在していた。

のですが、説明は長くなるので省きます。

とにかく、以来35年間、ずーっとパソコンを使ってきました。

スマホが登場した後も、利用頻度としては、

パソコン>>>>スマホ

です。

要するに、「当たり前の物として、慣れ親しんでいる」。

「何を」するか?

当り前の話ですが、パソコンも「道具」です。

つまり、「目的」のために使うもの。

僕自身、ほとんど「習性」のレベルで、日々パソコンと向き合っています。

そんな中、気付いたんですよ。

ライトな使い方であれば、今や、スマホでほとんどのことができてしまう。

僕みたいに、35年もパソコンを使っていて、生活の一部になっているケース。

それならば、話もまた別でしょう。

しかし、より「手軽」なスマホが、物心ついたときに、既にあったなら?

また同時に、生育過程で、パソコンの操作を覚える機会がなかったなら?

何よりも、「パソコンでなければならない理由」が、存在しなかったなら?

ネットのブラウジング、ECサイトでのショッピング、音楽、映画、読書、ゲーム、各種SNS。

今や、全部スマホでできます。

うん。わざわざパソコンを買う必要はない。

なんなら、スマホで小説を書いている子たちもいる。

そうか、そういうことか!

生産性の問題

これは確かにあります。

もっとも、僕もそこまで具体的に例は出せないのですが。

軽く調べてみると、「スマホが生産性を下げる問題」に関する記事は、結構あります。

プッシュ通知に気を取られすぎたり、SNSにのめり込みすぎたり。

そもそも、なんでもかんでも検索すれば「だいたい」分かってしまう。

ゆえに、「思考する」能力が奪われてしまう。

ただ、確かな問題ではあれ、だからって世の若い子達が、スマホを手放すとは思えない。

国力ガー! とか言い出すと、あまりに大きくなりすぎるので、この場は控えます。

スマホよりも、パソコンの方が色々捗る。

これは、事実だとは思う。

しかしながら、もし僕が「具体的に証明しろ」と言われたなら、ちょっと困るのですが。

慣れたものを使いたい心理

もう一つ、「ああ」と思ったのが、パソコンには、理解すべき専門用語が多いということ。

CPU、HDD、メモリ、SSD、etc.

全く知らない人間からすれば、意味不明ですよ。

しかも、必要性に迫られていなかったら?

「いらないこと」を覚えるのなんか、めんどくせえですよね。誰だって。

リモートワークのために、仕方なくパソコンを買ったとしても。

大抵のことは、慣れ親しんでいるスマホでできてしまう。

そっちの方が「楽」。

パソコンを使わなければならない理由がない。

僕は、オフィスソフトを仕事以外でも利用します。

なので、パソコンを使う理由が発生するのですが……

今どきは、WordもExcelも、スマホアプリバージョンがあるんですよね。

ますます、パソコンの立場がない!

もはや、嘆くまい

スマホによって、今後、人々の生産性がいかに落ちようが。

若い子達が、パソコンの使い方を知らないせいで、将来困ることになろうが。

いちいち「いかがなものか!」とは、もはや申しますまい。

冷たい言い方をすれば、僕に影響を及ぼさない話です。

それに、仮に僕自身が、今の若い子達と同じ境遇だったら?

多分、人のことは全く言えないかとは思います。

結局の所、これもやはり……

「知る者は得をし、知らざる者は損をする」

そこに行き着くとは思います。

善し悪しの問題ではなく。

静かに格差が広がっていく。

嗚呼、諸行無常。

んじゃまた。

 

文章:フジカワ

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