コラム

小説:『借金を完済した直後にあの世に旅立った女性は異世界に転生(5)』

 

前回まで

・『借金を完済した直後にあの世に旅立った女性は異世界に転生(1)

・『借金を完済した直後にあの世に旅立った女性は異世界に転生(2)

・『借金を完済した直後にあの世に旅立った女性は異世界に転生(3)

・『借金を完済した直後にあの世に旅立った女性は異世界に転生(4)

 

前回からの続き

 

 自宅に戻ると、調理に取り掛かる。冒険に出たからか、空腹状態だった。

 

 炊飯器で米を炊くのは面倒なので、すぐに食べられる食パンにかじりつく。直後、食パンとは思えないほどの甘みを感じる。いくらでも食べられそうな味をしていた。

 

 2枚目の食パンを齧る。とろけるような甘味に包まれ、最高の幸せを感じる。食パンでここまでの幸福を感じたことはなかった。

 

 食パンがあまりにもおいしかったからか、7枚も平らげてしまっていた。あまりのおいしさに、大食いをしてしまった。

 

 スーパーにおける、マリアとのやり取りを思い出す。冒険者ならすぐになくなってしまうというのは、あながち間違っていないのかもしれない。このペースで食べていたら、明日の昼になくなってしまう。

 

 冒険中はこちらの時間は経過しないものの、空腹度はカウントしていくのかな。おなかの状態だけが、変化しているかのようだった。

 

 パンを7枚も食べたにもかかわらず、満腹感は得られていなかった。次は牛肉を焼こうかなと思った。

 

台所にはフライパンが置かれていた。あのサイズなら上手に焼けるのではなかろうか。

 

アヤカは肉を焼く前に重要なことに気づいた。油を買うのを忘れてしまったのだ。これでは肉を上手に焼くことは難しい。

 

 スーパーまでは結構な時間がかかる。往復するのは面倒なので、ダメもとで肉を焼いてみることにした。

 

 アヤカの心配は杞憂に終わった。肉の中に含まれている脂が、油の代わりを十分に担っていた。下手に油を強いていたら、ギトギトして食べられなかったかもしれない。

 

 アヤカはウェルダンにした。いつもはレアを食べるけど、今回は肉に火を通したい気分だった。

 

 肉に十分火が通ったところで、白い皿に盛った。あまりにもおいしそうだったので、よだれを垂らしてしまった。

 

 アヤカはフォークで肉を刺したあと、豪快にかぶりついた。一度でいいから、この食べ方をしてみたかった。 

 

「うまい。これならいくらでも食べられそう」

 

 アヤカは野獣さながらに、肉にがっついていた。うまい、うまい、うますぎる。

 

 食パン7枚、牛肉500グラムを楽々と完食。消火にいいのか、お腹につっかえることはなかった。

 

 リンゴを齧ってみる。桃を連想させるような甘さ、パイナップルさながらのみずみずしさがあった。リンゴとは異なる何かを食べているかのようだった。

 

 食事がおいしいってありがたいことだ。まずいものを食べさせられたら、テンションはガタ落ちしてしまう。

 

 アヤカは食事を終えると、お風呂を沸かしに行く。一人には十分なスペースだったので、テンションは大きくあがることとなった。

 

 5話完了です。自分もこんな生活をしてみたいです。

 

文章:陰と陽

 

画像提供元 https://foter.com/f6/photo/50706113842/8ec6308848/

 

関連記事

  1. 悪夢からの解放
  2. 平成も昭和扱いされてるようだ
  3. メジャーのピッチクロックで感じたこと
  4. フィクションのお仕事
  5. 映画『学校』をご紹介
  6. 『プレイボール2』が最終回
  7. 超十ギガ!
  8. 800万円を借りる、だと?

おすすめ記事

仕事は権利

誰でも、仕事が憂鬱というか義務のように思える時があるのではないでしょうか?&nb…

毎日のように夢を見る人っていないだろうか

 毎日のように夢を見る人っていないだろうか。 筆者は最近、ほぼ毎日夢を見ている。…

人の夢を笑うな

昨日から睡眠薬が減ったんですが、今朝は絶賛寝不足です(挨拶)。と、いうわけで、フジカワです。…

快速急行のプレミアムカーが3000系だけになった理由を勝手に考察してみる

 京阪電車のダイヤ改正後のダイヤが発表されました。快速急行にプレミアムカーを設定した…

視覚障碍で事務職を目指す事業所がある

 視覚障碍は障害の程度により、1級~6級まで区分されています。視野範囲、視力などに基…

新着記事

PAGE TOP