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我が家のお母さん
「お母さんの作った料理で、一番好きなものはなんですか?」
というありがちな質問に答えられる自信が筆者には全然ない。それは勿論、母の料理が美味しくないとか、好きじゃないとかではない。
子供が言うのもおかしいかもしれないが、下手どころか寧ろ上手いと思う。一時期料理教室みたいなことをしていたし。
ケーキやらパンなども作っていたので料理の腕は大丈夫だ。だが、どの手料理が好きかと聞かれると返答に困る。
だって無理だろ。カレーひとつにしても毎回スパイスが違ったり、挽肉だったり、ガルバンゾー入ってたり、レンズ豆入ってたり、シチューをカレーにジョブチェンジしたりするんだもの。
それに母の料理は基本創作料理で、あまり、これといった味つけが肯定されていない。なので答えられない。
これは本人にもぼやいたことがあるので筆者がこの後、母にお叱りを受けることもない。何よりも本人が、そうだろうなと言っていたし。
だが基本、ハンバーグやカレーなどが出てきたら嬉しい。そして胡瓜と南瓜以外の瓜が出てきたらがっかりする。
また、それを知ると出してくるのが我が家の母だ。出されたら、いつものように誰かの皿に移す。
お母さん、いつもすみません
お母さんに休日はないというので、なんとか休日を作ろうと挑戦してみたりするが上手くいかないのが現実。
休みの日に皿を洗うのと洗濯物を入れるのが精一杯だ。たまにそれすらもしないこともある。
筆者は有言実行を掲げているのでしないこと、出来ないことは基本口に出さないことにしている。なので前もって、
「明日、家事全般するよ」
とか絶対に言わない。洗濯物は朝起きれないので干せないし、ルールがわからん。何より洗濯機を動かせられない。
だが、何とか休みをあげたいという気持ちがある。気持ちがあり過ぎて義務化し、したくないになっている程だ。
結果、食事前の片付けや給仕で収まっている。なんでだ。
料理は別に嫌いではないのだが、筆者はどうも尻込みしてしまい、出来上がったおかずが殆ど素材の味しかしないことが多い(味付けが極端に薄い。関西人やからええやん)。
そして馬鹿舌だ。なのでカレーや麻婆豆腐、冷凍の揚げ物などの料理が出来るとは言えないものを作ることが多い。
それに余計な冒険をしようとするのもよくない。尻込みしてるのにおかしな話だ。
必殺、肩たたき拳!
こんな大変なことを一人でやってのけるお母さんって本当にすごいと改めて思う。
そして同時に申し訳ないとも思う。このヘリウムガスしか入ってない頭も、お母さん相手だと自然と下がってしまう。
そんな気持ちを形にすると、カーネーション100束では足りないくらいだ。そんな物を本当に渡したらキレられそうだ。
要は感謝してもしきれないということだ。そんなことを母に言うと、嘘つけと変なツボかリンパをおされてしまいそうだ。
家事が出来そうと思うまでは、給仕と皿洗いとマッサージ(肩たたき)で許してほしい。
マッサージはいつでもできるから、手が負傷中でも足で足を踏んだり、軽く腰を踏むくらいはできるのでいつでも言ってくれ。
親と子供が一緒に過ごせる時間は一生のうち7年程らしい。今のうちに出来ること、やりたいことはやっておいた方がいい。なので肩たたき券を作っておこう。
p.s.
母ちゃん、いつもありがとう。
文章:ぴえろ