それは駄菓子屋でアイスを買った帰りのことです。
帰り道を急いでいると、いいタイミングで、いい場所にベンチを発見しました。
それは塀のそばにあるベンチで、丁度いい具合に日陰になっていました。
わたしはそこに座って、アイスを食べはじめました。
アイスを食べていると、目の前の物陰から、ネコが現れました。
‐ この辺のネコかな? ‐
見ていると、そのネコはわたしに向かってノシノシと歩み寄ってきます。
人に馴れているのか、わたしを警戒する様子はありません。
‐ アイスが食べたいのかな? ‐
などと思って見ていると、そのネコはわたしが座っているベンチのスペースを踏み台にして、ポンポーンと2メートル以上はある塀を軽く飛び越えてしまいました。
「おおお、すっごいジャンプ力!?」
わたしが驚き慌てて、ベンチに乗って、塀の向こう側を覗き込むと、ネコの姿はどこにもありません。
わたしがそこで目にしたのは、大きな動物供養の墓でした。
文章:百百太郎