野球でスイッチヒッターという言葉を耳にする機会は多い。スイッチヒッターとは両打席で打つバッターのことである。
野球界にはスイッチピッチャーも実在する。日本においては過去に登録されたピッチャーはいるものの、実現に至っていない。漫画にある「風光る」のような、野中ゆたかは幻となっている。(地区予選4回戦から、スイッチピッチャーとして登板していた)
メジャーリーグにおいては過去に両手投げで登板した投手もいる。近年では2008年6月19日に両投げのピッチャーと打者の対戦があった。
両投VS両打は初めてということもあり、心理戦を繰り広げることとなった。どちらも自分を少しでも有利にするために、相手のグローブ、バッターボックスの立ち位置を変え続けた。{打者は右に立つ→投手は左にグローブをはめる(右投)→打者は左に立つ→投手は右にグローブをはめる(左投)→打者は右に立つといったループを延々と繰り返す}
審判は打者に打席の位置を決めるように促したものの、解決するまでに5分間も時間を要することになった。メジャーリーグは未対応のルールで試合をストップさせないため、事後ルールを制定することとなった。ピッチャーの名前の一部を取ったのか、パット・ベンディット・ルールと名付けられた。
パット・ベンディット・ルールは両手投げのピッチャーは打者と対戦する前に、どちらの手で投げるのかを最初に決めなくてはならない。バッターを有利とする裁定をくだした。
両手で投げるスイッチピッチャー。日本のプロ野球で記録されるのを、心待ちにしている。人生のうちに目に焼き付けられるといいな。
文章:陰と陽