小学校の林間学校でのこと。
夜のレクリエーションで、ボランティアの大学生が怖い話をするって言うのがあった。
大広間にみんなを集めて、部屋を暗くして、スライド映写機で進行する趣向だ。
そのレクリエーションが終わり、みんなが「怖かったなー」などと言いながら、部屋を出ようと障子を開けると・・・。
廊下に濡れた足痕が点々と続いていた。
みんなはそれを見て、「でたー」っと、それぞれ声にならない悲鳴を上げた。
実は・・・。
わたしは後ろの方で、みんなが怖がる様子を見ながら、大学生の怖い話にも聞き入っている時に、隣の女子がふと席を立ったことを知っていた。
その足痕は、その女子がお漏らしした痕ということは、疑いようがなかった。
それを知っているわたしは一人、みなが怖がる様子を見てほくそ笑んでいた。
文章:百百太郎
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