サスペンス・ホラー

怖い話『お母さんについていく子』

 

病院に行くと、待合室に一組の親子がいた。

お母さんと二人の子供。

 

お母さんが幼子を抱っこして、もう一人の男の子は自由にさせている。

その子は、うるさいくらいはしゃぎ回っていた。

 

医師も気になったようで、受付まで出てきて、男の子をジッと睨みつけた。

男の子はさすがに医師の眼力に圧されてか、大人しくなった。

 

医師が診察室に引っ込むと間もなく、

 

「〇〇さーん」

 

と呼び出しの声。

幼子を抱えた母親が診察室に入っていく。

それに続いてもうひとりの男の子も付いて行く。

 

やがて診察を終えて出てきた母子にあの男の子の姿がなかった。

診察料を払い母子は、二人だけで帰っていった。

わたしが変に思っているところへ、再び医師が受付まで出てきた。

 

「今の人、もう一人子供連れてなかった?」

 

受付の看護婦が、

 

「お子さんはおひとりでしたよ」

 

と言うと医師は、

 

「またか・・・、あのお母さんに憑いている子だったんだな」

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f5/photo/450715371/79cf96791d/

関連記事

  1. 怖い話『終着駅』
  2. 怖い話:『動かない霊柩車』
  3. 怖い話『夢の中……。』
  4. 怖い話『誰の頭?』
  5. 怖い話『濡れた足あと』
  6. 怖い話:『TVゲームをしていたのは?』
  7. 怖い話:『止まらないタクシー』
  8. 怖い話『地響きのする家』

おすすめ記事

怖い話『早く見つけてよ』

ある日公園で、その場にいた子供たちでオニゴッコをすることになった。メンバーは5人…

京阪電車の2022年の正月ダイヤが発表

 京阪電車の2022年の正月ダイヤが発表 正月ダイヤについて…

ランドセルのスポンサーは祖父母だけど双子だとちょっと焦る

出典:© いらすとや. All Rights Reserved.「ジーンマイク」スイッチオン…

西山朋佳奨励会三段の第68期の四段昇格が消滅

 西山女流三冠の第68期における四段昇格はなくなった 西山朋佳奨励会三段は202…

香川県が依存症対策としてゲーム時間を制限する条例を可決

 香川県で、18歳未満のゲームの利用時間を制限する法律が可決されました。当初はスマー…

新着記事

PAGE TOP