新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「トイレットペーパーやティッシュの原材料がマスクに使われる」というデマがSNS上に広がり、各店舗で買い占めが起こってしまっています。
メルカリ上などでも定価の2~3倍で転売が始まっているようです。
経済産業省も「供給は潤沢。必要な人に届くように冷静な行動を」を呼びかけています。
以下、代表的なデマのパターンを挙げていきます
愉快犯や悪意によるデマ
2016年の熊本地震の時に、「ライオンが檻から逃げた」という意見(デマ)が、ツイッターに投稿されたケース。
投稿した本人は偽計業務妨害の疑いで逮捕され、「悪ふざけでやった」と容疑を認めました。
真実が混じったデマ
2011年の東日本大震災の時に、千葉のコスモ石油のLPGタンクが出火し爆発しました。
鎮火まで長い時間かかり、「有害物質が雨とともに降る」という意見。
尤もらしいデマが、多くの人たちの間を伝播することになりました。この時はコスモ石油側の否定やメディアの報道も迅速だったので、比較的早期にデマが収束に向かいました。
対処が難しい善意によるデマの拡散
今回の新型コロナウイルスにおいても、新型コロナウイルスは「耐熱性がなく、26-27度の温度のお湯を飲むと防げる」というチェーンメールが、大勢の人達の間で広まりました。(筆者にも来ました)
これに関しての専門家の見解は、
「ウイルスへの感染は口からだけとは限らないし、たとえ人体の外で熱に弱いとしても、体内で同じになるとは限らないからです。また摂氏26度や36度でウイルスが死滅するのなら、人間の体温が36度付近なので体内に入った時点で死滅するはずなので全く根拠のない話です」
とおっしゃっています。
最後に
最初にも書きましたが、新型コロナウイルスの影響で、中国から原材料を輸入出来なくなり、トイレットペーパーやティッシュが不足するという情報が拡散されましたが、これはデマの公算が高いということを、デマ情報の種類を挙げながら確認してきました。
実際には、トイレットペーパーなどの原材料は中国に依存していないため、この情報自体は明確なデマでしたが、「トイレットペーパーなどが品薄になっている所もある」という報道が引き金になってしまい、ニュースを知った人達が一斉にトイレットペーパーなどの確保に奔走し、薬局からトイレットペーパーなどが消える事態になっています。
この件について日本家庭紙工業会は、「トイレットペーパー、ティッシュペーパーの供給力、在庫は十分にあります」と発表しているので、デマに惑わされず冷静に対応する事が大切だと思います。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20200229-00165194/
©新型コロナのデマ対策で注意するべき、善意の拡散と事実化のリスク(徳力基彦) – 個人 – Yahoo!ニュース
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022801374&g=soc
©ティッシュなど品薄に 「原材料マスクに」デマ拡散―ネットで高額転売も:時事ドットコム
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0228/ccn_200228_6093114349.html
©トイレットペーパー巡る”デマ”に業界団体怒り「基本的に在庫切らすことない。落ち着いて行動して」(2020年2月28日)|BIGLOBEニュース
文章:椎名 夏梨(しいな かりん)