障碍者のスポーツに車椅子バスケットという競技がある。
ルールは一般で行われているバスケットとほぼ同じとなっている。フリースローが1点、フィールドゴールが2~3点である。通常のバスケットと唯一異なるのは、ダブルドリブルが反則とされていない点だ(一回のドリブルにつき、車椅子の回転数に制限がある)。
障碍によって選手に1~4点がつけられ(1点の上位とみなされた場合、0.5点がプラスされることもある)、5人の合計が14点を超えてはならない。点数制を採用しているのは、重度障碍者であっても、競技に参加できるようにという配慮である。健常者を5点とみなし、車椅子バスケットに参加できる国もあるようだ。
勝負の世界とはいえ、車椅子がガンガンとぶつかる光景はいかがだろうか。車椅子は安全に移動するための道具であって、頻繁に衝突することを想定して製造されているわけではない。あの光景を見て、車椅子生活を送っている人の一部は悲しんでいるかもしれない。製造メーカーもどのように思っているのだろうか。
普段は大切に扱う道具で優劣を競う。そのような光景が繰り広げられる限り、車椅子に乗っている人のために、道を譲ろうと思うのは難しくなってしまう。
文章:陰と陽