みなさんは雑誌を読んだりするだろうか?
筆者は『まんがタイムきららフォワード』という雑誌を数年前から購読している。
当時『まんがタイムきらら』などの俗に言う『きらら』系の雑誌でもマイナーな部類であった『まんがタイムきららフォワード』だが、現在は多数の作品がアニメ化を果たし、知る人も多いかと思う。
今回はその歴史を筆者の無駄話を交えてともに振り返ってみよう。
初期のきららフォワード
筆者がこの雑誌を講読し始めたのには理由がある。それは『夢喰いメリー』という作品が連載されていたからで、『まんがタイムきららフォワード』からアニメ化された作品も『夢喰いメリー』を含めた二作だけであり、雑誌の表紙は大概『夢喰いメリー』のヒロインであるメリー・ナイトメアであった。
連載作品はけして悪くはないが、わざわざ単行本を買ってまで夢中になった作品は『夢喰いメリー』以外ありはしなかった。
変化の兆し
それが変わったのは2014年のことだった。『トリガーハッピーウィッチ!』この作品を読み筆者は「やっときたか」と心躍らせた。タイトルの通り、魔女が活躍する話なのだがストーリーも上手くそれでいて適度な緩さもあり、読んでいて飽きなく疲れない。またイラストのやわらかい雰囲気もおおいに気に入った。しかし、2015年『トリガーハッピーウィッチ!』の連載は終了した(約1年単行本にして2冊)。
気に入った作品がここまであっけなく終了したことに、軽く失望した。
一方『まんがタイムきららフォワード』は『がっこうぐらし!』の連載が3年目に突入し、アニメがスタートする。この辺りから『まんがタイムきららフォワード』は激変したように思う。
『ゆるキャン△』の連載が開始
『がっこうぐらし』のアニメが放送された2015年7月『まんがタイムきららフォワード』にも今までになかった作品が掲載された。『ゆるキャン△』である。
この作品は1話にして筆者を含めた読者の心を捉えた。当時の新連載は『ヒロイン』+『α(部活動など)』といった主人公がスポーツをしたり、漫画を描いたりする作品が多かった。しかし、どの作品もキャラクターだけが妙にできているのに、スポーツや漫画などの技術や知識などの掘り下げがほとんどありはしなかった。
だが『ゆるキャン△』は違った。キャンプをテーマにした本作は、アウトドアの知識はもちろんキャラクターもそれぞれに特徴がしっかりしており、とても可愛らしいのである。そしてなによりも、キャンプを普段しない読者が読んでもしっかり面白い。さらにいえばキャンプをしてみたいとさえ思えるのである。
そして『ゆるキャン△』もアニメ化が決定し、『まんがタイムきららフォワード』はネットでも品薄になることがあった。
現在も連載中の作品『球詠』のアニメ化が決定しており、『まんがタイムきららフォワード』を盛り上げてくれることだろう。
筆者のぼやき
こうして『まんがタイムきららフォワード』は大きく成長したのだが、筆者はどうも両手をあげて喜べないのである。
それはたいして人気のない雑誌だった頃を知っているからだと考えている。(元々誰のものでもないのだが)どうも自分の元から遠くへ行ってしまった感覚に囚われるのである。
また『まんがタイムきららフォワード』が有名になった要因が作品のアニメ化によるものであるのは明らかであり、ファンとしても嬉しい部分があるのだが、「漫画がアニメの台本としての価値しか持たないのではないか…」、そんな恐怖を感じるのも事実である。
文章:マフユノダリア