サスペンス・ホラー

怖い話『畑の中に佇む女』

 

GWも過ぎてどんどん暑くなってきますね。

寝苦しさも感じられるようになった昨今ですが、

こんなゾクゾクするような怖い話はいかがでしょう。

 

早速ですが、『畑の中に佇む女』を紹介します。

 

それは12月初旬頃の話でした。

自転車で買い物に行く途中のこと、畑の中に女の人がぼんやりと佇んでいるのに気付きました。

その人は冬場なのに肩の出たワンピースみたいなのを着ていたのです。

「寒くないのかな?何してんのかな?」

なんて思って眺めていました。

よく見ると、ソレは体が透けていたのです。

「あれ?人じゃないのか?」

わたしは蜃気楼か、何かが人の形に見えてるだけなのかな?などと思ったので、自転車を止めて小石を拾い、ポーンとソレの足元へ投げてみました。

すると、ソレがゆっくりこちらに振り向こうとしたのです。

その瞬間、わたしは「ヤバイ!」と感じ慌てて自転車を走らせ、その場を離れようとしました。

 

前だけを見つめて必死に自転車をこいで逃げるわたしの耳元で、

「どうして?どうして?」と女の声がしました。

 

文章:百百太郎

 

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