サスペンス・ホラー

怖い話:『早朝の地下駐車場』

夕べは仕事帰りに仲間とお酒を飲んだ関係で、車を地下駐車場に残したままだった。

それを早朝に友人宅を出て、取りに来た。

パァン!

とクラクションが鳴り響いた。

ハッとして音のした方を見ると、子供が運転席から笑いながら、こっちを見ている。

「こんな時間に子供がいる!」

驚いている間もなく、駐車場の管理者が声を掛けてきた。

今、出勤してきた様子。

「ずいぶん早いですね」

「おはようございます。車とりに来ただけです」

と、言いながらさっきの車を見やると、そこにはもう子供の姿が無かった

あれ?どこの車だっけ?っと思い、視線を泳がせていると、

「どうかしました?」

「いや、さっき車に子供がいたんですけど・・・」

「ああ、その子、まだ出るんですね」

 

文章:百百太郎

関連記事

  1. ディストピア『見果てぬ、地平』
  2. 怖い話『畑の中に佇む女』
  3. 怖い話『終着駅』
  4. 怖い話『地響きのする家』
  5. 怖い話『お入りください』
  6. 『罪』
  7. 怖い話『お母さんについていく子』
  8. 怖い話『おばけやしき』

おすすめ記事

ハンデを抱えたことを嘆かないように(ピアノ)

 目が見えないピアニストをご存知だろうか。彼は小学生のときに世界大会で優勝し、その名…

怖い話『そうですって言っていたら・・・?』

ある駅で友人と待ち合わせしていた時のこと。待合室にいると、知らない女性から&…

A型で在宅勤務を取り入れている作業所もある

 A型作業所では会社内で働くことが多いけど、稀に在宅勤務の人員を募集しているケースも…

『スタート・ゴール』

人生のスタートでこの世に産まれ。人生のゴールでこの世を去る。…

厚生労働省のデータから見る就労移行支援事業

  就労移行の就職率についてこれまで書きました。今回は厚生労働省の示したデータを元に…

新着記事

PAGE TOP