日本海側に住んでいた男と太平洋側に住んでいた女性の話です。
女性「雪が降ってきたね」
男性「そうだね」
女性「私は見たことがないから、心がウキウキしているよ」
男性「そうなんだ」
女性「キミは感動しないの」
男性「小学生の頃に見ていたから、うんざりしているかな」
女性「そっか」
男性「日本海側の人間、太平洋側の人間の考え方の違いだよ」
女性「そうかもしれないね」
二人で舞っている粉雪を見つめる。好きな人と一緒にいるからか、メルヘンチックに感じられた。
男性「キミと見ていると、とっても綺麗に見えるよ」
女性「それってどういうことかな?」
男性「キミがとっても素敵な女性だという意味だよ」
女性「ありがとう」
二人はそっと手を繋いだ。その後、女性の手の甲に、一粒の雪が付着することとなった。
女性「ねえねえ、雪が付着したよ」
男性「キミにとっては貴重な体験みたいだね」
女性「雪が付着したのもそうだけど、好きな人と手を繋いでいるのはもっと貴重だよ」
男性「うまいこというな」
女性「ご褒美として、フライドチキンを食べさせてください」
男性「わかった」
二人でフライドチキン専門店に向かった。そのときには既に雪はやんでいた。
文章:陰と陽
画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/8406310348/97cc62e67b/