「ちびまる子ちゃん」のナレーションを31年間にわたって務めてきた、キートン山田さん
が、番組を三月いっぱいで降板することとなった。「ちびまる子ちゃん」の降板に合わせ
て、声優業を引退する。
ナレーションというのは地味な役割に思えるものの、番組を大きく左右するポジション
である。ナレーションが下手な説明をしようものなら、番組への視聴意欲は大きく低下することになる。
キートン山田さんのナレーションは独特でありながらも、視聴者を楽しませる要素がふ
んだんに詰め込まれていた。彼の皮肉めいたコメントが流れるたび、人間界の面白さを感
じさせてくれるかのようだった。
彼の良さを際立たせていたのは声にあるのではなかろうか。明るすぎる声だと皮肉めい
て聞こえないし、図太すぎる声だとマイナス要素が強調されることになる。テンポも重要で、早すぎると聞き取りにくくなり、ゆったりすぎると視聴者はだらける。彼は声、テンポの両方を兼ね備えていた。
キートン山田さんがナレーションになったのは、原作者のさくらももこさんの推薦によるもの。世界観を考えた作者だけあって、マッチングする声をわかっていたのかもしれない。
「ちびまる子ちゃん」の3月28日の放送では、特別演出をするようだ。キートン山田さんが、「ちびまる子ちゃん」の世界観に登場するかもしれない。
*これまでおつかれさまでした。あとはゆっくりと休んでください。
文章:陰と陽
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