将棋は男女が同じ土俵で戦うことの許される、数少ない競技である。それにもかかわらず、大きな格差が起きてしまっている。
これまでにプロになった棋士は320~330人いるものの、女性は1人もプロになっていない。男女平等であるにもかかわらず、男性の競技になってしまっている。
男性の世界に新しい風を吹き込もうとしたのは、里見加奈女流四冠。女性初の三段となり、三段リークに5期にわたって参加した。一度も勝ち越すことないまま、年齢規定による退会となったものの、女性であってもプロ棋士を目指すという空気を作った功績は大きい。
二人目の三段リーグ参加者は西山朋佳女流三冠。第66回三段リーグにおいて14勝4敗の好成績を収めるも、順位差により次点となってしまった。満26歳という年齢制限が迫っており、女性初のプロになれるかは未知数だ。
三人目の三段リーグ参加者は中七海さん。二段リーグで12勝4敗の成績を収め、女性としては3人目の三段昇段を果たした。女性の三段昇格は西山朋佳さん以来で、五年ぶりとなる。
中七海さんは68期より三段リーグに初参戦する。現在は22歳なので、降段しない限りは最低8回のチャンスを与えられることになる。彼女はどのような将棋を見せてくれるのだろうか。
西山朋佳さん、中七海さんは将棋界に新しい風を吹き起こすことはできるのか。男子の世界という固定概念を覆す活躍を、彼女たちには期待したい。
*女性に将棋が普及していくことにより、四段になる棋士は誕生すると思われます。歴史的瞬間に立ち会えるのは、いつになるのでしょか。
文章:陰と陽