エピソード

『耳が痛い話』を聞くことの大切さ。

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『耳が痛い話』ここでは“自分自身の良くない部分や弱点を指摘されること”という意味で書きます。

筆者は昔から他人の意見を一切聞かない人間です。

誰になんと言われようと「自分がこう思ったらこう!」を貫く生き方なので、それはそれは失敗もたくさんして生きています。

人生9割失敗なのではないだろうか?苦笑

さすがに仕事や社会生活の中でそれを押し通すことは(まぁまぁ)しないですが、家族間・恋人間・友達間ではほぼ絶対に自分の主張を譲ることはしません。

(まぁまぁ…というのは、どう考えても納得できない場合に『退職届』と引き換えに言いたいことを言って会社を辞める…という感じです。後になってどんなに引き止められようとも、愛社精神が無くなってしまった会社で、筆者は割り切って仕事をすることはできないのです)。

社会生活以外で筆者が『他人の意見を聞かない』のは、一種の甘えと視野の狭さからくるのかもしれないな…と最近思うようになりました。

一生懸命考えて主張して、それを否定されると悔しいとか今更引けない…みたいな気持ちになっているのかもしれません。

昔から「性格が極端すぎる」と言われていました。

筆者としては「だから何?あなたに迷惑かけた?」くらいの切り返しで、「私の扱いが面倒なら縁切ってくれていいよ?」程度です。

自分と合わない人と上辺だけの人間関係を続けていても何のメリットもないと思っていたので。

こんな感じの人間関係の築き方なので、十数年前に高校時代の大親友と縁が切れました。

本心としては寂しかったのですが、“これからの人生にお互い必要ないから縁が切れたんだ”と思うようにして、引きずることもありませんでした。

月日が経ち今から2年前、掃除をしていると絶縁する直前に彼女からきた『引っ越しました』はがきが棚から出てきました。

何となく自分のメールアドレスだけを書いてその住所にはがきを送ってみました。

2週間ほどして彼女からメールがきました。

彼女は数年前に結婚したそうで、はがきが手元に届くまでに時間がかかったけどはがきを受け取ってすぐ連絡をくれたそうです。

「当時は周りに引っ張られて縁を切ることになってしまったけど、後悔してた。結婚式にも来てほしかった」と最初に彼女からきたメールに書いていました。

謝らないといけないのはこちらの方で、当時は意地の張り合いのようになっていました。

筆者は離婚したてで塞ぎ込んでいて誰とも話したくなかったところに、優しい友人たちが手を差し伸べてくれたのですが、「放っといて」とその手を振り払ったのが縁が切れた原因でした。

優しい気持ちで手を差し伸べてくれた友人たちは気分を悪くしただろうと今ならわかるのですが、当時は自分が世界で一番不幸だと思っていたので何にも気付けませんでした。

それからほぼ毎日彼女とLINEしています。

彼女とは高校時代、お互いの彼氏が親友同士だったので特別面白いエピソードがあったりします。

今でもその話題でタイムスリップしたような笑い話をすることも多々あります。

『他人の意見を全く聞かない』筆者ですが、最近彼女の意見なら自分と真逆の考え方でも受け入れて、自分の考え方を自然と改めようとしていることに気が付きました。

彼女の言い方は説教ではなく、押し付けでもなく、ただ本当に自分の思ったことを優しい言い方で伝えてくれるからだと思います。

彼女と話すようになって筆者の考え方もかなり変わってきました。

以前だったら絶対に受け入れられない行動をする人とも、それなりに仲良くできるようになりました。

自分の小さい狭い世界から脱出するきっかけを彼女はくれました。

彼女が今、筆者に寄り添ってくれていなかったら、筆者は今のパートナーともダメになっていたかもしれません…

母親との関係もうまく築けなかったかもしれません…

彼女にはとても感謝していて、本当に大切な人なのですが・・・

実は連絡を再開して2年、自宅は近所なのですがまだ1回も会っていないのです。

何か…まだ勇気がないのです。

気恥ずかしさもあります。

いつかランチにでも行こうと話しているのですが、スマホひとつでまた友達に戻れて毎日気軽に連絡ができて、すごくいい時代に生きてるなぁとありがたく思います。

『耳が痛い話』を耳が痛いように聞かせない彼女の伝え方の上手さ、柔軟な考えを持っている彼女自身に感謝と尊敬の気持ちです。

彼女の話を聞き入れて、自分でも考えて納得して視野を広げて…。

この先かなり生き易くなるなぁと思います。

だいぶ気付くのが遅かったんですが、自分にとって『耳が痛い話』を聞くことって本当に大切ですね。

 

(文章:天蔵)

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