夕べは仕事帰りに仲間とお酒を飲んだ関係で、車を地下駐車場に残したままだった。
それを早朝に友人宅を出て、取りに来た。
パァン!
とクラクションが鳴り響いた。
ハッとして音のした方を見ると、子供が運転席から笑いながら、こっちを見ている。
「こんな時間に子供がいる!」
驚いている間もなく、駐車場の管理者が声を掛けてきた。
今、出勤してきた様子。
「ずいぶん早いですね」
「おはようございます。車とりに来ただけです」
と、言いながらさっきの車を見やると、そこにはもう子供の姿が無かった
あれ?どこの車だっけ?っと思い、視線を泳がせていると、
「どうかしました?」
「いや、さっき車に子供がいたんですけど・・・」
「ああ、その子、まだ出るんですね」
文章:百百太郎