詩・ポエム

詩・『俗物賛歌』

人よ まず俗物たれ

しかし

恥じるな 僻むな

上が向けずとも 後ろと下は見るな

その上で

世俗の荒波に揉まれよ

残酷と非情に洗われろ

誰の中にも 煌めきの芯がある

それは 米を研いで ぬかを落とす

そんな 俗と下世話と惨さと絶望に 研磨された

その中にこそ

その中にしか

絶対に ない

高潔さ 清らかさ そして 真の強さ

「無知の知」を識(し)るのと同じく それらは

俗を極めた その果てに ある

人よ まず俗物たれ

魍魎跋扈(もうりょうばっこ)の 社会という荒野の中

俯かず 振り返らず

比べず 恥じず

驕らず 卑下せず

ひたすらに 前を向き続ける 勇気

そして

空を見上げて 微笑む余裕

海を前に 畏れる優しさ

風に吹かれて 感じる友愛

そんなものたちを

僕もまた 立派な

「数多の俗物の一人」(ワンノブゼム)ではあれど

せいいっぱいに なるべく なるべく

ただ ただ 集めていきたい

 

作:フジカワ

関連記事

  1. 『夢』
  2. 『一気に崩壊…』―崩壊してしまえばもうどうでもよくなる―
  3. 『自分を愛してみよう』―求めるだけでは、何も生まれないー
  4. 『自己との壮絶な戦い』
  5. 『将来の不安』―将来の不安は誰もが持っている―
  6. 『問題解決能力』
  7. 『おはよう』
  8. 『本当は弱虫』―あたしだけが知って本当の君の姿―

おすすめ記事

菅野仁『友だち幻想  人と人の〈つながり〉を考える』ちくまプリマ―新書

菅野仁『友だち幻想  人と人の〈つながり〉を考える』2008年に…

感謝の心を持ちたい

感謝の気持ちを持ちたい。皆さんは、毎日生活していると…

北海道産のアルコール飲料の紹介

 北海道麦酒醸造の『ガラナエール』(トップ画像) プルトップを開…

プロにはお金を払おう

「東京」とは、そもそも「京都の東」と言う意味です。じゃあ、「西東京市」って、どういう意味なん…

怖い話『闇の中のヒモ』

大学からの帰り、先輩の下宿に寄っていくことになった。大学の先輩の下宿は、トイレと…

新着記事

PAGE TOP