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漫画『君たちはどういきるか』【感想】

こんにちは、今回は漫画『君たちはどういきるか』をご紹介したいと思います。

この本は1937年に出版された小説『君たちはどういきるか』を漫画にしたものです。

あらすじ

この物語は主人公のコペル君が友人たちを裏切ってしまい、学校を休みがちになってしまうところから始まります。

そんな中、コペル君はよく家にやってくる叔父さんから1冊もノートを受け取ります。

それは叔父さんがコペル君の近所に越してきてから、彼が立派な人間になれるようにと書いてきたものでした。

そして叔父さんとコペル君の過去の出来事が描かれます。

内容と感想

叔父さんが近所に越してきた日、コペル君は一緒にデパートの屋上に行き銀座の街並みを眺めます。

そのうちにコペル君は行き交う人々が分子のようにちっぽけで、自分や叔父さんも含めた分子たちが世の中をつくっている一部なんだと感じます。

その日彼のことを叔父さんは地動説を唱えたコペルニクスになぞらえてコペル君と呼ぶようになります。

これは世界の中心が自分ではないということを示しています。もちろん自分だけではなくてだれもがその中心ではないのです。

また、そういった発見をしたコペル君を叔父さんはノートに心を動かされたと書いていて叔父さんはコペル君のあだ名を真剣につけたことがうかがえます。

コペル君は天動説が主流だった時代に地動説を唱えそれを強い意志で譲らなかったコペルニクスの行動を自分にはできないだろうなと思い、貰ったあだ名に少し恥ずかしい気持ちもありながら、憧れも抱いていました。

そんなコペル君の学校では、いじめが起きていて彼は簡単には抜け出せない分子の集まり(集団)だからこそ誰も手を差し伸べられないと叔父さんに相談します。

そんな悩みに叔父さんは「自分で考えるんだ」と答えます。

期待や流れに惑わされない、自分がどうしたいかが大切だとここでは伝えられています。

その中でガッチンというクラスメイトがいじめていた生徒に殴りかかったり、いじめられていた生徒がそれを止めに入るなど結果はどうあれ、彼らは自分で考え行動することができていたのが素晴らしいなと感じました。

いじめられていた生徒を助けたコペル君の友人、ガッチンが今度は上級生に目をつけられはじめ、コペル君はガッチンや叔父さんのいる前で「ぜったいに逃げずにみんなで戦う」とガッチンに約束します。

その後、ガッチンはうっかり上級生の作った雪玉を壊してしまい、上級生が「仲間がいるならでてこい」と怒鳴りますが、コペル君は恐怖で名乗りを上げることもできず、ガッチンたちは一方的に殴られてしまいます。

そのあと、後悔と罪悪感を抱え、家の中で塞ぎ込んでしまったコペル君は叔父さんに相談し、彼はガッチンたちに直接謝ることを決めます。

この話では叔父さんは「うずくまっていても何も始まらない」「君は絶交されてもしかたのないことをしちまったんだ」など強い言葉でコペル君を教え諭していて、最初は叔父さんに謝ってもらおうと考えていたコペル君の考えも変わり、最後には自分で謝罪することにします。

ここから見えてくるのは後悔や罪悪感は正しい道に向かうためのものだということです。

そしてその後もその後悔が背中を押してくれることもあるでしょう。

読み終わって感じたこと

過去この本が話題になっていたのは知っていましたが、『君たちはどういきるか』という教訓めいたどこか押しつけがましい感じがして、手に取ることはないままでした。

しかし、読んでみると叔父さんのノートに書かれている生き方に共感すると同時にそういうふうにあれたらと感じます。

 

ではでは~。

 

文章:マフユノダリア

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