最近起こった事件や事故を見ていくと、ある共通した点が浮かび上がると考えられます。
それは「質の低い国・ニッポン」というものです。
観光遊覧船が沈没した事故については、管轄する役所の部署がほとんどチェックなどしておらず、監査を素通りしていました。書類に毎度毎度同じ数値が記入されていたにもかかわらず、見てもいなかったのです。
困窮者向けの新型コロナ給付金が誤って一人に全対象者分の4千万円以上もの大金が渡っていた問題では、振込を新人ひとりに任せていたことや役所の内部統制が機能していないこと、その後のさまざまな対応のまずさなどが露呈しました。
そしてつい先日、総理大臣経験者が演説中に手製の銃で銃撃され死亡するという、前代未聞の事件が発生しました。
一発目の銃声のあと警護にあたっていた人物らが安倍氏に覆いかぶさるなどの必要な対応をとっておらず、まったくもって体たらくの警護であったというべきでしょう。
これらに共通するのは、システムや手続き及び人間の対応などあらゆる面での質の低下です。
そしてその奥にある本質は何かと言えば、思考停止と不作為ということになるでしょう。
前と前々の総理は色々と物議をかもす行いにより批判されました。
しかし現在の総理大臣はまさに「何もしない総理」であり、そして支持率が高いのです。
それは、何もしないことが評価されることを意味しています。
何もしなければ国民から支持されるということを見抜いているのです。
と書いていたら、次のような記事を見つけました。タイムリーです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6e90b3280c833a821cee83e189bfd546e1f70dd8
©「キシダは何もしていない」ポール・クルーグマンが日本に落胆している理由(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース
この国を覆っているのは、現状維持のイデオロギーなのかとも考えられますが、たしかにそれによく似てはいるものの、もっと悪い何かなのではないでしょうか。
何もするな、余計な事はするな、明日できることは今日するな、明日できるなら明後日もするな、何もするな、等々。
ミサイルが落ちてくるようなことにはまだなっていませんが、近いうちにそうなりかねないのではないか、と思います。
文章:増何臍阿
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