サスペンス・ホラー

怖い話『よなかのでんわ』

 

1年遅れで高校の友人が大学へ入学し、同じアパートに入居してきた。

入居当日、友人の部屋は布団や机があるだけでまだガラガラの状態だ。

わたしの部屋で一緒にコタツに入り、これからの大学生活について軽く話をした。

これから物が増えていくこと、取るべき科目、単位取得が難しい科目、サークルのことなど。

 

そんな中で、このアパートにまつわる怪談についても話をした。

夜中に勝手に電気がついていた、窓に白い着物の女の影が浮かんでいた。

そして、その部屋がおまえの部屋だと。

もちろん冗談である。

 

やがて夜も遅くなり、友人は自分の部屋へ戻っていった。

夜中、寝入っているところに電話が鳴った。

友人からだった。

 

「どうもこの部屋おかしいよ」

 

と言う。

さっきの怪談話を気にしていると思ったわたしは

 

「さっきの話はウソだから」

 

と説明したが

 

「すぐ来てよ、頼むよ」

「こっちに布団もってきて俺の部屋で寝りゃいいじゃん」

「そっちが来てよ」

「なんでよ?」

 

そんなやりとりをしばらくして電話を切った。

そして翌朝、友人に

 

「夜中に電話してくるなよ」

 

と、文句を言うと、友人は浮かない顔をしていった。

 

「俺の部屋、電話ないよ。工事来るの今日だし・・・」

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/2470316409/0d02e2da39/

関連記事

  1. 怖い話『ずるいよ』
  2. 怖い話『オバケがいる!』
  3. 怖い話『新聞の勧誘』
  4. 怖い話『電話が鳴った』
  5. 怖い話『闇の中のヒモ』
  6. 怖い話『真夏のサンタクロース』
  7. 怖い話『外の世界の子供たち』
  8. 怖い話『死体現場ごっこ』

おすすめ記事

A型、B型作業所から一般就労しようと思う利用者が取る行動

「A型作業所、B型作業所の就職率はかなり低い」というテーマで、A型作業所、B型作業所…

短編小説:『事務所』

二月のある日、港町のとある事務所にやってきた。面接を受けるためである。&nb…

ショートショート『インフルエンザ菌のイタズラ』

『インフルエンザ菌のイタズラ』  悪魔の菌が次のターゲットを狙っ…

アルコール依存から脱却するのを目的とした福祉事業所

 福祉事業所において、アルコール依存から脱却することで、日常生活を取り戻していこうと…

「善き友」を求めていきたい

一切のものは変転する宇宙のあらゆるものは、変わってゆく。&n…

新着記事

PAGE TOP