友人ととある公苑のお化け屋敷に入った。
薄暗い中、通路の板を踏み込むと、パッと明かりがつき、そこに生首などが照らし出される仕組みだ。
壁板もところどころ隙間があって、そこから外光が入ってくる。
全体的に作りは雑だが、それが返って不気味さを醸し出していた。
「あんまり怖くないなあ」と先に進む友人は言いながらも、途中から早足になっていった。
『なんだ?』
お化け屋敷を出ると、友人は安心したように膝に手を付いて、大きくため息を吐いた。
「なんだよ、イキがって。やっぱり怖かったんじゃないのか?」
と言うわたしに友人は言った。
「気付かなかったのか?途中から影が、俺とお前の他にもうひとつ付いてきていたことを・・・」
文章:百百太郎
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