サスペンス・ホラー

怖い話『もうひとりいたはず』

 

友人の大学生の時の話。

友人宅で麻雀をやることになった。

その際、メンバーに友人の知らない人も連れて行くという話を聞いていた。

 

友人は学生アパートの前でみんなを出迎え、部屋へぞろぞろと向かう。

部屋に入り、それぞれが卓に腰を下ろす。

 

さっきアパート前で見たときと、一人足りないことに気づいた。

 

『あっそうか、ひとりトイレに入ってるんだな』と思った。

 

だが

 

「早く座れよ、始めようぜ」

 

と麻雀牌をジャラジャラ鳴らしながら仲間が言う。

 

「もうひとりいたろ?待たなくていいのかよ?」

 

「これで全員だぞ」

 

そんな会話をしていると、トイレからザーッと水が流れる音がした。

 

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/3119430810/9895a923ce/

 

関連記事

  1. 怖い話『停電』
  2. 怖い話『ごめんなさい』
  3. 怖い話『新聞の勧誘』
  4. 怖い話『案山子』
  5. 怖い話『小さな靴下』
  6. 怖い話『テレビの前の子供』
  7. 怖い話『廊下に続く足痕』
  8. 怖い話『笑う警察官』

おすすめ記事

『新しい環境』―全ての感情をそのまま受け入れよう―

新しい場所は…不安。緊張。…

『統合失調症』と薬物療法

 統合失調やその他の精神障害が脳内の神経伝達物質の濃度が原因の一つと解明されてきて『…

回転寿司屋でそばを販売しない理由

 回転寿司屋ではラーメン、うどんなどが販売されています。それに対し、蕎麦については販…

二重基準を伴った「負債」が招き寄せるもの

マウリツィオ・ラッツァラート, 杉村昌昭訳『〈借金人間〉製造工場―“負債"の政治経済…

障碍者の切なる願い

障碍の当事者と比較すると、一般人はあらゆる面で恵まれている。 学校では障碍者だか…

新着記事

PAGE TOP