コンビニエンスストアの社会における役割は大きい。
東日本大震災以降
コンビニの店舗数は全国で5万6千店舗余り。2011年では4万4千店舗余りだったが、東日本大震災後に右肩上がりで店舗数が増え、2015年で5万3千店舗余りからほぼ横ばいになり現在に至る。
特徴としては共同事業契約による統合と独立系コンビニが消えていき、大手三社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)が2022年1月時点でシェアの89.9%を占めている。
多岐にわたる対応
東日本大震災後、各コンビニチェーンは採算度外視で、いち早く復興に向けて活躍した。
・帰宅困難者へのサポート
・救援物資の確保
・配送エリアを超えた商品供給
・義援金の受付
等々、枚挙に暇がない。
コンビニは震災後も営業を続けられている店が多かったうえ、小規模店舗の簡素な造りが幸いしたのか被災地の復旧も比較的早く、利便性だけでなく、人々の生活インフラの一つとしてその重要性が広く認知されるに至った。
指定公共機関として
大手のコンビニチェーンは2017年に、国の要請に応じて災害時に緊急支援を行う「指定公共機関」に認定された。
その使命を果たすべく、コンビニ側も大災害が起きても生活物資をいち早く住民に届けられるよう災害時の体制及びシステムの構築を強化している。
社会インフラとして
災害対策のほかにも日常的に
・公共料金の支払い
・宅配便の受け取りや発送など
・納税、公共サービスの提供
・ATMによる金融業務
など、地域の住民のニーズに応えるべく様々な役割を果たしている。
時代変化に応じて
コンビニの社会インフラとしてさらに整備を進めているのが高齢化社会の対応である。
・移動販売
・食事・食材の配達
・商品配達サービス
・地域の安全の見守り、防犯
さらにイートイン導入により地域のコミュニティの場として活用され、地域密着型の店舗として住民のニーズに即応したサービスを提供できる商機になる。
コンビニの人手不足
しかしながらサービスが多岐にわたるために店員の手間が増えるのは否めない。
かれこれ10年以上人手不足が深刻化したため、コンビニ店舗のオーナーやその家族の長時間労働が問題になっている。
そのために24時間営業を取りやめる動きもあった。
コロナ禍に見舞われて
新型コロナウイルス感染予防の対策として在宅勤務の増加や外出の自粛などでオフィス街や駅近くの店舗は来店客が大きく落ち込んだ。
巣ごもり需要で冷凍食品などの売り上げは伸びたものの業界団体のまとめでは前年比4.5%コンビニ全体の売り上げが落ちた。
店舗数も横ばいで拡大路線は頭打ち状態である。
今後の展望
コンビニが社会的インフラとして定着した現在、コンビニに求められているのは全国一律の販売戦略ではなく、地域ごとの住民に密着した細かいニーズに合わせた店舗ごとのカスタマイズされたサービスの提供が求められていると考えられ、地域ごとに多様化の道を模索していくことになると思われる。
まとめ
コンビニの店員が、棚に商品の品出し中でもレジ前に客が来れば飛んできて笑顔で接客応対し、トイレのある店舗はいつも衛生面に気を付けて清掃当番表を壁にかけているのを見た人も多いと思う。
ある種の使命感すら漂うスタッフの応対ぶりに舌を巻きつつも、そのコンビニを当たり前のように利用できる消費者として感謝の念を忘れてはならないと思う。
その感謝の心をもって、コンビニを社会資源のひとつとして活用すれば豊かな消費生活が送れると思うがいかがであろうか。
がんばるコンビニ! がんばれコンビニ!
文章:drachan
画像提供元 https://www.pexels.com/ja-jp/photo/2295200/