コラム

シュテファニー・シュタール『「本当の自分」がわかる心理学』大和書房

 

シュテファニー・シュタール『「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある』

 

 

幼少期の体験が、その後の人生を左右するほどの重要性を持ち、しかもその時の経験が大人になった段階で、はっきりと意識されなかった出来事は、潜在意識の中にのみ、取り残されたままとなって、自身の心の片隅に仕舞い込まれていたりいます。

 

 

無意識下に留まった未解決ゾーン。

 

 

ややもすると、過去の出来事が昇華されずに、その人の生きづらさを形成している要因として残っているため、著者は自己の内面を見つめ直す作業が重要だとの観点から、そうした課題を克服する方法を語っています。

 

 

 

ごく簡単に紹介しておきますと、自分の内面を「ポジティブ思考」と「ネガティブ思考」に分けて捉えます。

ポジティブ思考の方は、本書の言葉で言えば「日向子」

一方のネガティブ思考は「影子」

 

 

影子は、幼少期の悪い体験が個々の心の中にトラウマとして残った体験です。それが今も無意識の内に留まり続けているため、自身をコントロールし続けているとのことです。

 

 

これらの対策には、日向子を活用すべきだと著者は考えます。 大人の論理を使える日向子が、時には影子を励ますことで、心の傷が徐々に癒されていくという方法論を展開していきます。

まず影子の存在を認めることから始めます。

そうすると、その人が過去のトラウマに対して、冷静に対処できるような変化の時が訪れることになります。

 

 

要するに、悩みの対処法を外側に向けるのではなく、自己の内面から捉え直す視点を優先して、自己における課題の解決を導き出す方向へ誘う本でした。

 

文章:justice

関連記事

  1. 心に栄養を
  2. 2023年11月場所の十両、幕下の入れ替えはどうなっていくのか(…
  3. 個人的に、息苦しい昨今。
  4. 色心不二
  5. 小説:『出会いはどこから転がり込むかわからない 下』
  6. ルイス・スアレスの涙
  7. 生産性を上げるには
  8. 『火の鳥』と『浦島太郎』読んでこい

おすすめ記事

学校行け?嫌じゃ

出典:© いらすとや. All Rights Reserved.義務付けられると何でも嫌にな…

ルイス・スアレスの涙

ルイス・アルベルト・スアレス・ディアスは、ウルグアイ出身のフットボール選手です。…

『歩くこと』の効用

歩くことには様々な利点・効用があります。心身ともに健…

日本人のメンタリティを大切にしたい

タトゥーは今や、世界的には、ファッションとして広く認知されています。僕の前職時代に、ちょっと…

「酔い止め薬」を服用した時に気を付けること

 酔い止め薬を服用すると、出てくる副作用がありますが、副作用を知らなかったり気が付か…

新着記事

PAGE TOP