友人と夜の山道をドライブしていた。
「喉が渇いた」
と友人が言う。
とても店どころか自販機もありそうにない夜の一本道である。
前方に男の子が走っているのが見えた。
「こんな夜中に子供がいるとは変だな」
「お使いじゃね?この先に店か自販機があるとみた!」
友人の予想通り、男の子を追い越してすぐ、自販機が見えてきた。
友人とふたり車を降りた。
自販機前で缶コーヒーを飲みながら一息ついていたが、さっきの男の子がいつまで待っても現れないのだ。
「そういえば、あの子、どこから走って来たんだ?」
ここまでしばらく走ったが、一軒の民家も見かけなかった山間の一本道での出来事である。
文章:百百太郎
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