わたしがまだ幼い頃、お盆休みに親の田舎に帰った時のこと。
墓参りを終えた後、住職さんへ挨拶に行った親を待つ間、わたしは墓地の石段から飛び降りたりして、一人遊びをしていました。
わたしのそばで、ジャリジャリと砂利石を踏む音がしました。
親が戻ってきたと思い、音のしたほうを見ますが、誰もいません。
変に思いながら、石段に上ろうとすると、すぐにまた、ジャリジャリと誰かが近づいてくる音がしました。
振り返るとピタッと音はやみ、やはり誰もいません。
そんなことが何度か続いて、気味が悪くなったわたしは、その場から離れることにしました。
そこから走り出したわたしの背後で、
- ジャッジャッジャッジャッ -
と砂利石の上を走って、わたしに迫ってくる音がしました。
わたしは驚いて全力で走り出しました。
親が戻ってくると、境内の石畳の上で、ヒザをすりむいて泣いていたわたしがいたそうです。
文章:百百太郎
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