サスペンス・ホラー

怖い話『とある砂浜での出来事』

 

数人の仲間を連れ立って、海辺の町へドライブに行ったときのこと。

人気のない砂浜を見つけ、みんなで裸足になって、砂の上を歩いていました。

すると、砂の中から何かが足の裏を、ツンツンとつついてくる感覚がしました。

 

- 砂の中に何か生き物がいるのかな? -

 

当初は全員、はしゃいでいましたが、それはしだいに、激しい痛みを感じるほどになりました。

そのうちこれは堪らないと、みんな砂浜から次々と飛び出していきました。

 

すると、その様子を見ていた地元のおじさんが、声を掛けてきました。

 

「君ら、ここに入って遊んじゃいけないよ」

 

「あ、私有地でしたか、すいません、すぐ退散します」

 

「いや、そういうことじゃなく・・・」

 

おじさんが言うには、戦時中の空襲でたくさんの死者がでたときに、その処分に困ってこの砂浜に埋めたとのこと。

 

「砂の中には、今でもたくさんの仏さんが眠っているから、それを踏みつけちゃかわいそうだろ」

 

文章:百百太郎

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