福祉・医療

就労定着支援の問題点

 

  就労定着支援の事業所説明を読んでいると、就職半年後から三年間にわたって支援を行うと書かれている。

 

 就職してから半年後となっているのは、障碍者の定着率を反映しているのかなと思う。精神障碍者などは、半年から一年でやめる人はそれなりにいる。退職しやすい時期にサポートすることにより、長く働けるような体制を作っていきたいのかもしれない。

 

 筆者は当事者として違和感を覚えた。手を差し伸べてほしいと考える時期は、圧倒的に就職した直後だと思うからである(半年以降に苦しくなる確率は0とはいえない)。何をするのか、どのような対人関係を築くのか、といったことで困っている。そういった時期にフォローしてほしいと思うのは自然な流れだ。

 

 障碍者は健常者よりもミスマッチングの確率は高い。職種があっていない場合、半年以内にやめる者も少なくない。それ以降に支援に入ろうとしても、当事者は既に会社にいないため、サポートできないという状況に陥る。

 

 半年も継続勤務すれば、おおよそのことは掴める。そんな時期に入ってこられたとしても、ありがたみをほとんど感じないとも思う。一人でやれるようになったのだから、様子を見に来なくてもよいと考える当事者もいるのではなかろうか。(第三者の介入によってこじれるリスクを伴う)

 

 就労定着支援の制度を変更して、障碍者の働きやすさ改善に努めてほしい。当事者としてはそう思わずにはいられない。

 

文章:陰と陽

 

 

関連記事

  1. 高次脳障碍がつきにくい仕事
  2. 発達障碍者に読んでほしいサイト
  3. 兵庫県の障害手帳(取得条件など)
  4. 障碍者は見えないところでお世話になり、見える形で被害を被る
  5. 子供の個性が強い(障碍者を含む)親御さんへのメッセージ
  6. 政府が補助金を全額カットした場合、A型の65パーセントは倒産する…
  7. 障碍者が会社で居場所を確保するためには
  8. 障碍者手帳の基準が全国で統一されていないことに違和感がある

おすすめ記事

障碍者の婚活の実態

関西人でないと分からない話ではありますが。同じ関西弁でも、「大阪弁」と「神戸弁」があります。…

凸凹に生まれてしまった人間が感じた才能と努力

 筆者は能力がでこぼこだった。得意なことは得意、苦手なことはとことん苦手だった。…

『自分のために生きるんだ』

他人を傷つけることを嫌い。他人に傷つけられるのも嫌い。傷ついてもいいのは自分…

怖い話『水浸しの郵便受け』

私は高校生のときに夕刊配達のバイトをしていました。いつものようにある家の郵便受け…

29歳から30歳になるということ

 『29歳から30歳になるということ!』 人間は一年に一つずつ年…

新着記事

PAGE TOP