薬の副作用が出るか出ないかは、有効成分以外にも原因があります。
薬の副作用と聞くと、有効成分が原因だと思う人が多いと思いますが、それ以外の要因もあることを説明していこうと思います。
「医薬品添加剤」から説明していきます。
医薬品添加剤は、有効成分だけだと製剤が困難なため、添加されるもので製剤化して取り扱いしやすくします。品質の安定化、あるいは服用しやすい形状や匂いや味にします。その他、服用後の体内での溶け方の調整等の機能を持っています。
製剤の90%以上が、医薬品添加剤と呼ばれていて、そうした薬がかなりの割合を占めるので、医薬品添加剤は有効成分よりもかなり地味で、医師や製薬メーカーか医学系の研究者位しか意識していなくて、一般人はそれがあることさえ認識していないでしょうけど、とても重要な要素を占めます。
医薬品添加剤は、もちろん有効成分を邪魔しない無害なもので出来ています。例えば「酸化チタン」、「二酸化ケイ素」。二酸化ケイ素とは解りやすく言うと砂です。「乳糖」、「植物油に水素を添加した物」。つまりマーガリン・スプレッド様な物や「デンプン」等が使われています。
この医薬品添加剤の違いで、薬の副作用が出たり出なかったりします。理由は服用した後の薬の溶け方や、それによる有効成分の体内への吸収の速度と濃度が関係していると思われますが、個人差が大きく断言できません。
しかし医薬品添加剤が、変わった同一の有効成分で同じ成分量で同じ製薬会社の薬で副作用が出なくなった例もあるので、医薬品添加剤の違いは副作用が出るか出ないかに大きくかかわっています。
ジェネリック医薬品を使いたいと患者が云っても、医師が処方したがらない場合がありますが、医薬品添加剤関係で副作用が出ると困ると考えているのかもしれません。
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患者としても、薬局の出してくれる薬の解説プリントにも医薬品添加剤の名前は載ってないですし、ウェブの信頼できる医療医薬系のサイトで、製薬メーカーが出している添付文書のPDFファイル等を見ないと、医薬品添加剤の事は解らないので、けっこう手間がかかり大変です。
医薬品添加剤は無害な物が使われていますが、完璧ではありません。乳糖は成人日本人のかなりの割合で乳糖を分解する酵素の「ラクターゼ」の欠乏を起しているので、腹痛や下痢、吐き気、腹部の不快感が副作用として出る可能性があります。
対処法としては、腸内環境を整えて有用腸内細菌を増やすことですが、簡単に腸内環境が良くなるわけがないので、実行がほぼ無理な対処法です。
デンプンも「トウモロコシ」が原料だったり、「ジャガイモ」が原料だったりと原料が多岐にわたるので、トウモロコシやジャガイモ等のアレルギーがあると、アレルギー症状が出る可能性があります。アレルギー様症状が出たら、大変ですが製薬メーカーが出している添付文書を見てデンプンの原料を調べましょう。
副作用が出たら、すぐに処方箋を書いた医師に相談するようにしましょう。医師免許を持ってない人間に相談することは、時間の無駄で有害です。
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あと、カプセル薬のカプセルはゼラチン製でゼラチンアレルギーのある人は、初診の時に問診票に記入して、念のため口頭で医師に伝えておきましょう。
文章:北山南河