福祉・医療

平均給料の推移から垣間見えるA型作業所の課題 

 

 厚生労働省のデータによると、 A型作業所の平均給料は平成18年よりも大きく下がっている。

平成18年はA型作業所の平均給料は11万円を超えていた。平成19年に10万円を割り込み、平成24年度からは最低時給*4*勤務日数がベースとなっている作業所が多くを占める。(平成23年までは福祉向上を含んでいるため、そちらが金額を押し上げていた可能性もある)

 新規事業参入が緩和されたことで、金儲けのための作業所が劇的に増えた。漫画を一時間だけ読ませて、残ったお金を収入にするというのが話題になった。それゆえ、厚生労働省は支給要件を厳しくし、大量のA型作業所が倒産に追い込まれたのは記憶に新しいところ。仕事による対価だけで事業所を経営するようになった場合、倒産件数はさらに増加するのは避けられない。

 B型で行っているような小学生であってもできる軽作業ばかりを取ってくるのも、漫画を読ませるのと大差ない(補助金目当てであることに変わりない)。こちらについても、悪徳事業所であるとみなしてよい。(4時間なら何をさせても、利益を上げられる。障碍者の未来を考えるのであれば、もっとましな仕事を取るようにするはず。自分たちの生活を優先させているに過ぎない)

 10年以上前は平均給料が10万円を超えていた。障碍者の生活を豊かにするためにも、昔の水準に戻ることを願ってやまない。A型作業所の利用者の採用条件を、週に30時間以上にするなどの対策を取れば、懐を豊かにできるに違いない。収入が増えることで、生きる希望を見出すことができる。

 A型作業所は障碍者がメインなのだから、支援者のためではなく、利用者のための場所であってほしい。補助金で支援者だけがフルタイムで勤務するのは、はっきりといって間違っている。利用者の1.5倍以上、支援者が勤務してはいけないといった法律も必要なのではなかろうか。

 

 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000466693.pdf

 ©平成 29 年度工賃(賃金)の実績について – 厚生労働省

 

*全国各地の平均給料なども検索できるので、活用してみてはいかがだろうか。自分の給料と比較してみるとよい。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 結果主義は障碍者にとって生きにくい
  2. 障碍者支援は生活管理を重点に相談してみよう
  3. 精神疾患だと免許が更新されない場合がある
  4. 障碍者枠に対する企業の考え方
  5. 広く浅くが唱えられる限り、発達障碍は生きにくい
  6. 支援機関への登録は慎重にすべき
  7. 障碍者は口だけにならないように
  8. ダン・ショート、ベティ・アリス・エリクソン、ロキサンナ・エリクソ…

おすすめ記事

デフォルトモードネットワーク

人は、ボーっとしている時「デフォルトモードネットワーク」が、脳の中で活性化しているそうです。…

怖い話『夜中の出来事』

若いお母さんの話。幼い娘と一緒に寝ていた。夜中、娘が起きる気配で目が覚めた。…

勝南桜が2021年3月場所で連敗記録を更新する可能性がある

勝南桜(旧名服部桜)が、一番相撲に敗北し84連敗となりました。彼…

あなたの願いを書いてみよう

あなたの願いは、何ですか?具体的に書いてみよう。夢を現実に叶えたいのなら、行動するこ…

十両と幕下の入れ替え戦

 大相撲においては、十両と幕下における入れ替え戦を行うことがあります。そのことについ…

新着記事

PAGE TOP