福祉・医療

障碍者事業における理想と現実

 

 個人として数回、A型作業所に数ヵ所、在籍したことがある。

 支援者と接していて感じるのは、意思疎通が非常に難しいことにある。障碍に対する知識を持っていないため、話が噛み合わない。気付いていない人も多いけど、これが障碍者支援の現実(実態)なのである。

 発達障碍者の立場からすると、支援のベクトルが間違っているように感じる。座学で学んだ知識だけでは、障碍者を理解しきれていないのが現実だ。他のことで例えるならば、離婚、家族の事故死などが当てはまる。経験していなければ、真の意味で理解できない。

 障碍者事業は全ての障碍者に役立つのが理想。ただ、現実はそうなっていない。健常者として生まれ、後々に障碍者手帳を取得した利用者ならいいけど、先天性の障碍であった場合、意思疎通はほぼ不可能。一部にしか有効でないのであれば、支援機関としての機能を果たしているとはいいがたい。それを黙認しながら、支援を行っているのが現状といえる。

 福祉の理想としては当事者にやってもらえばいいけど、衝突が多くなってしまうという問題が起こる。障碍者は自分に正直な人が多いため、思ったことを口にしてしまいがち。そのことでトラブルを生むことになる。過去にいろいろといわれてきたため、他者の発言に敏感な人が多いのもマイナスといえる。

 一般人が支援者として働いているのは消去法なのかなと思う。理想と現実の狭間で、障碍者支援は困難と立ち向かっている状況。障碍をあまり気にしない支援者(当事者)を配置することで、理想に大きく近づく。

 理想と現実の狭間で動いている福祉事業、当事者のことを最優先にするならば、健常者の支援者を0にしていくことが望ましい。そうならない限り、前に進んでいくことはないだろう。

 

*発達障碍者としての感想です。他の障碍であった場合、異なることもあります。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 障碍者支援の問題点
  2. 障碍者事業所の方針を読んだ感想
  3. エジソンの言葉を障碍者支援に当てはめる
  4. 退職した会社から電話
  5. 病院の待ち時間について
  6. 社会は多数派のためにある
  7. 発達障碍は社会全体から嫌われるわけではない
  8. 障碍者の一部は交流会の参加、交友作りに消極的

おすすめ記事

『言えない』―大切な人だから、弱みを見せたくないー

大丈夫だよ→大丈夫じゃない泣かないよ→泣きたくてたまらない&…

阪急電鉄『阪神国道駅』と周辺紹介

 阪急電鉄『阪神国道駅』は、阪急今津線の駅です。 駅名の阪神国道とは駅前南側を交…

【いきもの】『外来生物』を悪者扱いしないで!

出典:© いらすとや. All Rights Reserved.そもそも、運んできたのは誰で…

小説:『知的障碍を発症した女性は、入院先で少女と出会う 下』

前回まで・小説:『知的障碍を発症した女性は、入院先で少女と出会う 上』・小説…

『まんがタイムきららフォワード』を読み続けて思うこと

みなさんは雑誌を読んだりするだろうか?筆者は『まんがタイムきららフォワード』とい…

新着記事

PAGE TOP