コラム

ショートショート『二度自信を失う』

 

 障碍を持っていたため、一般レベルについていくことはできなかった。そのことで、自信と誇りを失ってしまった。

 失われたプライドと自信を取り戻すために、A型作業所を利用することにした。障碍者施設なら、レベルの高い人はいないだろう。レベルが低いからこそ、障碍者手帳を所持していると信じきっていた。

 予想は九割あたっていたものの、一割は外れていた。A型作業所に通っている理由が見あたらない利用者がいたのだ。発達障碍とは名ばかりの天才にしか思えなかった。支援者よりも高度なことを理解できるのは障碍者ではない。

 

一般をはるかに超える能力を所持しているにもかかわらず、この人はどうしてこんなところに通所しているのだろうか。早いところ一般就職して、もっとたくさんのお金をもらえばいいのに。障碍者枠なら引っ張りダコだと思うし、職種が適合していれば、一般会社においても十分に通用する

 

 圧倒的なレベルを見せ付けられたことで、完全にモチベーションを奪われてしまった。粉々に打ち砕かれたプライドが元に戻る日はやってくるのだろうか。

 

文章:陰と陽

 

関連記事

  1. 小説:『友達のいない男は、クラスメイトの男性恐怖症克服に協力させ…
  2. 障碍者枠はブランクよりも能力を重視することもある
  3. コロナ禍の区切り、だが。
  4. おすすめのネットフリックスオリジナル作品 その4
  5. コラム:『この世にはないものを求めて』
  6. 大変厄介な三大欲求
  7. 「職場の一日」
  8. 惹きつけられる魅力

おすすめ記事

発達障碍支援で行われるのは人間否定、業務放棄

  発達障碍者支援で行われているのは、人間否定、業務放棄の2つである。  &nb…

暇な仕事は得意ですか?

 仕事で何もやることがなく、暇をつぶすだけということもあります。その時に何を感じるの…

パソコンで写真の編集を行うB型作業所の紹介

 他ではあまり見受けられない作業に取り組んでいる、B型作業所について紹介していきます…

キャプテン2の内容に違和感

 キャプテン2を書く必要があったのか これは賛否両論があると思います。続きを読み…

大迫力!三毛猫の3D広告が日本に上陸!

新宿東口のアルタビジョン付近に新たなランドマークとして設置された街頭ビジョン「クロス…

新着記事

PAGE TOP